中国は近年、日本を科学技術強国として見直すようになっている。その理由の1つに、今世紀に入ってからノーベル賞受賞者が急増していることがあるようだ。中国メディアの騰訊はこのほど、日本がノーベル賞受賞者を多く輩出していると紹介する記事を掲載した。その理由を知ると「本当に恐ろしくなる」そうだ。

 日本人のノーベル賞受賞者は、今世紀に入って19人を数え、平均するとほぼ毎年受賞者を出していることになる。記事は「世界で最も認められた知恵」が日本に集中していることに「複雑な気持ち」だと胸の内を明かし、「日本は先進的な科学技術という鋭利な刃物を手中にしている」と、科学技術は日本の強力な武器になっていると指摘している。

 中国人が「失われた20年」だと思っていた間に、日本はいつの間にこの「鋭利な武器」を手にしていたのだろうか。記事は、日本の成功には4つの理由があると分析している。その1つが「知識と教育を重視」してきたこと。社会全体が教育者や研究者を尊重し、英雄視していると伝えている。この点、研究者がなかなか評価されない中国とは大きく異なっていると言える。

 2つ目は科学技術研究を「政府が重視してきた」こと。研究者が安心して研究を続けられるためには資金が必要だが、記事は、日本政府の投資は米国よりも比率が高いと紹介。バブル崩壊後さえ惜しげもなく投資していたうえに、中国ほど成果を求められないとも指摘している。中国ではすぐに目に見える成果を期待されるようだが、ノーベル賞受賞者の経歴から分かるように、成果が出るにはかなりの時間がかかるはずだ。

 3つ目は「子どもの好奇心を大切にし、読書を勧める教育方針」。ノーベル賞受賞者のなかには、子どものころ自然と触れ合い、本を読んだ経験が生きているという人は多い。4つ目は、日本は「不動産よりも科学技術を重視している」こと。不動産バブルが崩壊しても科学技術で台頭したのがその証拠だとしているが、中国経済は確かに不動産に頼りすぎていると言えるだろう。

 この4つはいずれも、中国とは正反対の傾向であり、日本が成長している間「失われた20年」と高をくくっていた中国が今になって焦りを感じるとしても無理はない。科学技術というこの「鋭利な武器」を手にしたとはいえ、日本はおごることなく引き続き発展を続けていく必要があろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)