新型コロナウイルスのパンデミックによりサプライチェーンの脆弱性が浮き彫りとなったことで、日本は現在見直しを図っている。4月には補正予算にサプライチェーンの国内回帰や多元化を促進する支援制度が盛り込まれ、中国としては日本企業の「脱中国」を警戒しているようだ。中国メディアの百家号はこのほど、「日本政府はすでに多くの日本企業の脱中国を支援している」と題する記事を掲載した。

 記事は、日本政府が日本企業の生産拠点を国内に回帰させるために2200億円、アジア諸国に分散させる多元化のために235億円を予算案に盛り込んだと紹介。記事によるとすでに日本への回帰する57社と東南アジアへ移転する30社、合わせて87社がこの支援を受けたという。

 ある日本企業は、すでに人件費の高騰などを理由に中国から海外に工場を移転してきたが、この支援金を利用して、中国から日本国内にマスク工場を移転する予定だという。他にも自動車や航空機の部品、アルコール消毒液、化学肥料、薬品、紙製品などを扱う企業が、日本への回帰あるいは他国への移転を決めたと記事は伝えた。

 しかし記事は、自動車業界の場合はこの傾向が顕著にはなっていないと指摘。中国の自動車市場は非常に大きいためで、移転すると輸送費や関税がかかるので、自動車メーカーの多くは中国に残るとしている。

 実際のところ、すべての日本企業が中国から撤退するというのも現実的ではなく、この点で日本政府の方針は米国とは異なっている。中国は危機感を抱いているようだが、日本はグローバル化のすべてから手を引くわけではなく、時代に合わせて絶えず変化していると言えるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)