日本経営管理教育協会が見る中国 第631回 ――磯山隆志

◆全国で新型コロナウイルス感染が拡大

 緊急事態宣言が解除された後、1カ月ほど低水準で推移していた新型コロナウイルスの新たな感染者数が、7月に入り再び拡大傾向に転じた。重症者数は少ないとされるが、東京都では7月9日に224名の新規陽性者数となった後、7月31日には400名を超え過去最多の感染者数を記録した。かつては100名を超える新規陽性者数で驚きとともにニュースが伝えられたが、今では100名どころか200名の新規陽性者が確認されることも珍しくなく、日常的な数字になりつつある。累計では11,000名を超えた。

 新型コロナウイルスの新規陽性者数の増加は、東京都だけでなく日本各地で拡大している。大阪府でも7月29日には過去最多となる200名を超える新たな感染者数が確認された。他にも愛知県や福岡県、沖縄県などで新たな感染者数が過去最多となったという報道が相次いでなされ、岩手県においても初めて感染者が確認された。日本全国でも1日の感染者数として初めて1,000名を超えた。連日のように報道される過去最多の感染者数に慣れるのも新しい生活様式の一つといえるかもしれない。

 新規陽性者数の増加は、検査数の増加やいわゆる夜の街でのクラスター感染によるところが大きいとされてきたが、家庭内でも広がりつつあるとの報道も聞かれるようになった。小池都知事も現在の状況を第二波であるとの認識を示した。そのような中、政府は7月22日から国内旅行代金の半額を支援するGoToトラベルキャンペーンを、東京都を除いた各地で実施している。一方で西村経済産業大臣は、経済界にテレワークを7割とするよう要請する考えを示した。

◆ワーケーションが新たな働き方に

 ワーケーションとは、ワークとヴァケイションを組み合わせた言葉で、観光地で休暇を取りながらテレワークで勤務する働き方である。新型コロナウイルスの感染拡大により、中国などからのインバウンド需要が見込めず厳しい状況の観光業界において、新たな需要が見込まれる取り組みとして注目を集めている。そのため、政府も普及のための環境整備に意欲を示している。

 ウィズコロナといわれる段階に入り、コロナ対策を取りながら経済活動を推進する難しい局面にある。感染拡大への不安感があり、ワーケーションの推進にも賛否両論が聞かれる中で、政府にはより丁寧な説明が求められるだろう。今後、ワーケーションが定着するか注目したい。(写真は、閑散とした東京浅草雷門。提供:日本経営管理教育協会)