中国最長の河川である長江流域で大雨が続き、洪水が多発していることを受け、長江に存在する世界最大の水力発電ダムである「三峡ダム」に注目が集まっている。中国メディアの中国経済周刊はこのほど、三峡ダムの安全性などについて中国の専門家の見解を伝える記事を掲載した。

 記事は増水期の到来とともに長江流域では深刻な水害が多発していると伝え、同時に長江に存在する三峡ダムへの関心も高まっていると指摘。そして、中国工程院の王浩氏や中国三峡集団のエンジニアである張曙光氏、中国水利部の王章立氏、中国国務院発展研究中心の王亦楠氏などの有識者を招いて、中国経済周刊が三峡ダムの安全性などについて座談会を開催したことを伝えた。

 記事はまず「三峡ダムの安全性」について、「毎年増水期になると、三峡ダムの安全性をめぐって様々な噂が飛び交うものだ」と伝え、過去には「三峡ダムが変形している」という噂が飛び交ったと紹介。これについて中国国務院発展研究中心の王亦楠氏が「米国企業の衛星写真がもとになったデマであり、衛星写真に技術的な問題があって変形しているように見えただけである」と主張したことを紹介した。

 さらに今年は三峡ダムに亀裂が入っているといったデマも流れたと主張しつつ、中国工程院の王浩氏は「三峡ダムの安全性には何ら問題は生じていない」と述べ、なぜなら三峡ダムは「1万年に1度の大洪水ですら防げるよう設計されているため」だと主張した。また、中国三峡集団の張曙光氏は「ダムの寿命は主にコンクリートの品質によって左右されるが、三峡ダムのコンクリートそのものは500年は問題が生じないほどの質」であると主張したことを伝えた。

 また、三峡ダムが変形していたとしても、それは「許容範囲内のことだ」とし、高層ビルや橋のような建造物も外部から力が加われば変形し、そして元に戻るのが普通であることを指摘し、「変形は決して恐ろしいことではなく、問題となるのは変形の程度が許容範囲内であるかどうか」であると主張。三峡ダムには1万2000を超える監視機器が取り付けられ、安全性が監視されていると強調、ちょっとした異常でもすぐに把握できる態勢となっており、ネット上で注目を集めた「三峡ダムの変形をとらえた衛星写真」のようなことは実際に起きるはずがないと反発した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)