日本経営管理教育協会がみる中国 第630回 ――水野隆張

◆米国で中国共産党性悪論が広まっている

 アメリカのコロナウイルスによる死亡者が14万人を超えており、トランプ政権はコロナ対応の遅れに対する批判を畏れて中米対立が益々激しさを増している。

 最近の中国批判の特徴は中国共産党性悪論が広まっていることである。米国務省政策企画局の一員としてポンペオ国務長官に中国政策をアドバイスしてきたマイルズ・ユ氏(中国名・余茂春)は、米歴代政権は中国の顔色をうかがうばかりで、中国共産党の本質を見誤ってきたと指摘し、マルクス・レーニン主義と自国中心のナショナリズムに支えられた中国の覇権拡大に警鐘を鳴らしている。

 ユ氏はこの3年間、対中政策の見直しに取り組んできた。トランプ政権は歴代政権の政策を転換し、中国を最大の戦略的敵国と位置付けており、ユ氏はこの対中政策を「原則に基づく現実主義」と呼んでいる。そして中国共産党と中国国民を区別して中国共産党性悪論を展開して中国国民とは友好的関係を構築する方針を掲げている。9000万人の中国共産党員に対してはその家族も含めて入国禁止を検討しており最近では中国総領事館の閉鎖も進めている。当然中国側は反発してその対抗措置として、武漢の米国総領事館の閉鎖の声明を発表している。

◆習近平国家主席の国賓としての招聘に断固として反対する

 習近平はこのような米国の攻撃に対して国民の目を逸らすために対外覇権主義を一層強めており最近では太平洋進出の障害となる尖閣列島に対して連日艦船の進出が続いており軍事的衝突の危険性すら高まっている。

 衆知のように日中両国の間には「四つのトゲ」と称される「尖閣諸島」「日本人拘束」「日本食品輸入規制」「香港・ウイグル」の外交問題があるが、中国は日本政府の要求を拒み続けており、改善の見通しは全く立っていない。自民党は、令和2年2月7日付けで「習近平国家主席の国賓としての招聘を憂慮する声明」を発表した。

 昨年2月の内閣府の調査では、75.5%の日本国民が日中関係を「良好だとは思わない」と実感しているように、中国に対する国論は非常に厳しくなっている。国論が分かれている中で習近平国家主席の国賓招聘に固執するならば中国で発生した新型コロナウイルスが世界的な猛威を振るっている現在、国民だけでなく国際社会の理解も得られないであろう。以上のような経過を踏まえて習近平国家主席の国賓としての招聘に対して断固として強固なる反対の意思を表明する次第である。(写真は、北京「中南海」に隣接する「北海公園」。提供:日本経営管理教育協会)