私たちの生活に欠かせないインフラの一つと言えば公共交通だ。最近、中国で21名が犠牲になるバスの事故が起こったこともあり、安全な公共交通への関心が高まっている。中国メディアの澎湃が15日付けで「安全な日本の公共交通の秘密」と題する記事を掲載している。

 記事はまず、ここ10年の日本のバスによる交通事故件数を紹介している。バスによる事故件数は、タクシーやトラックなどの他の大型車両に比べて格段に少なく、2018年のバスや路面電車の事故件数は1141件と過去10年間でも最も少ない件数となった。また、死亡者数も2018年の1年間で13人となった。記事は「日本の公共交通安全のレベルが非常に高い」と称賛している。

 では、なぜこれほど日本のバスは事故件数が少ないのか。記事はまず「日本のバス運転手の給与や勤務日数や待遇がいいからではない」と述べ、むしろ日本の多くのバス会社は高齢化の問題を抱えていると指摘。さらに、人材不足による労働時間超過といった問題を抱えており、通常では決して事故が少なくなる労働環境ではないと紹介。記事は、それでも事故件数が少ない理由を3つ紹介している。

 1つ目は、日本の交通システム。日本ではこれまで、事故が起こるたびに道路や信号機、標識などのインフラが見直され、そのたびに改善されてきた。近年交通事故が減少していることはこれまでの、こうした積み重ねによるところが大きい。また、事故の後にドライブレコーダーによる分析を行い、さらに改善を図っている。

 2つ目は、交通法規。日本の道路交通法も安全なバス運行には欠かせない。ドライバーそれぞれが交通安全のための法律を遵守する必要があるのは当然のこと、企業にも管理責任が問われる。さらに、ドライバーが交通法規を破るたびにポイントが減っていき、場合によっては免許の更新時に講習を受ける必要がある。こうしたドライバーへの徹底した安全意識の教育が、日本の交通安全に役立っている。

 3つ目は、全国的に統一された安全基準。日本では交通に関する安全基準が日本全国で統一されており、どこにいても同じ安全基準のもとで生活できる。さらに、日本ではドライバーに対する安全意識を高めるため、全国統一の安全ガイドラインがあり、実施されている。

 こうした日本のバス事情について、記事への書き込みでも「こうした方法を中国でも見習うべきだ」との意見も見られた。

 日本人にとって欠かせないインフラとして、家族や自分の命を乗せて運行されているバス。これまで培われてきた交通安全のための知恵や経験を次の世代にも伝えていく必要がある。(編集担当:時田瑞樹)(イメージ写真提供:123RF)