新型コロナウイルスの世界的な流行の影響により、2020年の東京五輪は開催そのものが危ぶまれたものの、1年延期して21年に開催される予定となった。延期による経済への悪影響を不安視する声も聞かれるが、なぜ日本では五輪開催に期待を寄せる声が多いのだろうか。

 中国メディアの百家号は2日、日本は「1964年の東京五輪を通じて経済大国となった」と伝える記事を掲載し、「新型コロナウイルスというリスクがありながらも、日本が五輪開催を諦めずにいるのは、多くの日本人のなかに過去の成功体験が残っているからではないか」と主張した。

 記事はまず、新型コロナウイルスによって東京五輪の開催が1年延期されることになったことを指摘し、「日本人は五輪の中止はなんとしても避け、東京五輪を開催したいと考えている」と紹介。それは、「1964年に開催された前回の東京五輪を境に、日本経済が飛躍的に成長した」という成功体験を持っているからだと強調した。

 さらに世界初の高速鉄道である新幹線は1964年の東京五輪に合わせて開業したが、これによってビジネスの活性化や旅行需要の拡大をもたらし、経済成長を後押ししたと紹介。また、多くの日本人が自宅で五輪を観戦するためにカラーテレビを購入したと伝え、日本の「製造業にも追い風となった」と強調した。

 記事は、近年の日本経済は停滞が続いていると言われるとしながらも、「新型コロナウイルスというリスクがあるなかでも日本が五輪開催を諦められずにいるのは、多くの日本人の中に過去の成功体験の記憶が残っているからだ」と分析した。

 東京五輪の経済効果は30兆円を超えるものとなると言われていた。開催延期による経済損失は莫大なものになると懸念されているが、人生をかけて競技に取り組んできたすべてのアスリートたちの存在や、莫大な投資を行ってきた企業のことを考えれば、開催を簡単に諦められないのも当たり前のことだと言える。五輪は世界中から人が集まる一大イベントであるゆえ、新型コロナが一刻も早く終息し、無事に開催されることを願うばかりだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)