日本経営管理教育協会が見る中国 第627回 ――下﨑寛

 日本では、緊急事態宣言が一応解除され、コロナ禍も一段落してきた。

 世界のG7における各国のコロナ禍の状況を比較してみると、日本の死亡者数、感染者数が断トツで低い。これは批判があったが、医療崩壊を避けるために治療する患者を体温37度5分以上の感染者に限定し、治療の必要性の高い患者に限定して対応したことが功を奏したものと考えられている。

 今回のコロナ禍は、第2次世界大戦前の世界恐慌以来の経済的な落ち込みが予想される。全人類とコロナの第3次世界大戦といえる。

 習近平が数年前に全人代で発していた「新常態(ニューノーマル)」の時代が図らずしも来てしまった訳である。

 今後、コロナ禍の日本の生活や仕事では、コロナワクチンが開発されるまで、常時マスクを着け、3密を避ける業種業態に変革せざるを得ない「新常態」の時代になった。

 世界のパワーバランスが崩れ、日本も大企業、大手流通業の既得権益が崩壊し、混沌な時代となるであろう。

そこでは、過去のデータ、過去の成功体験、既得権益は信用できない。行き詰った状況を眼前の課題に当てはめるのではなく、前例とか過去の延長ではなく、新しいソリューション中から未来の解決策を探すことや新しい仮説を立てて進むしかない。

 そこで、「新常態」の経営スタンスを考えてみよう。

1.ヒトの問題については、今までの人材不足が解消されるが、単なる人材活用するのではなく、スキルを重視した人材を採用し、育成することであろう。サラリーマン化した紋切り型の人材は切り捨てされ、提案型の人材が重宝されるであろう。

2.モノの問題については、コロナ禍の対応を重視した大量生産、大量消費ではなく、少量販売で質を高めた差別化した商品、メニューの開発がポイントとなろう。さらに、製造業においては、安かろう的な海外拠点を利用するのではなく、ロジスティクスを重視した経営の再構築が必要となろう。

3.カネの問題については、売上高、利益率等にこだわるのではなく、キャッシュフローを重視した健全経営を図ることであろう。現在では、低金利で銀行融資は容易にできる環境にあり、借りたはいいが返済に困るような経営は避けるべきである。また、利益率にこだわるのではなく、給料を上げ、従業員の満足度を優先すべき経営にかじを切る必要があろう。

4.情報については、会社、店舗経営等のIOT化を高度化する必要があろう。特に、国民、政府機関、市区町村の対応が重要視される。国民においては、マイナンバー制度の普及と役所のIOT化が必要となろう。

 併せて、「新常態」として、与党、野党の政治家、官僚、メディアのスタンスの改革改善も必要であろう。(写真は、西新宿駅前乗降客。提供:日本経営管理教育協会)