富士通が理化学研究所と開発したスーパーコンピューター「富岳」が、計算速度などを競うランキングで世界1位を獲得した。国産のスパコンが首位を奪還するのは、2011年の「京」以来で約9年ぶりの快挙となる。中国メディアの百家号は28日、「9年の時を経て日本はまたこの技術で世界をリードしている」と題する記事を掲載した。米国にさえ大きく差をつけたと紹介している。

 記事は、日本は「1秒間の計算速度」、「実際に分析に使うソフトに近い計算の速度」、「ビッグデータの処理速度」、「人工知能(AI)にデータを学習させる速度」の4部門で世界一になり、4冠を獲得したと紹介。2019年の首位は米国のスパコンだったが、今回は富岳が米国産を大きく引き離して圧勝だったと伝えている。

 記事は、8年半前に首位を取った「京」の弱点を研究し、それを改善したことが富岳の世界一につながったと分析。京は使いやすさに難点があり商用化が進まなかったため、富岳は汎用性や使い勝手に力を入れたと論じた。

 記事は、富岳が日本に及ぼす影響は大きいと高く評価している。本来ここまで早く市場に出るはずではなかったものの、新型コロナの研究に利用するため予定よりも前倒ししたと伝えている。スパコンは新型コロナの研究や、新薬開発、さらには防災分野に活用することで被害予測につながる可能性もある。

 そのようなわけで、記事は「日本を小さい島国と侮ってはいけない」と警告した。日本人は非常に賢く、特にスパコンの分野で世界をリードしているからだという。かなりの経済効果を見込むこともでき、新型コロナで大打撃を受けた今首位を奪還したというのは「タイミング」も良いと伝えている。

 スパコン・富岳の4冠は、中国でもかなりの注目を集めているようだ。記事は、米国は「駒の1つとしか見ていなかった」日本に越されたことで相当悔しがっているはずであり、富岳を超えるスパコンを開発する決意を固めているだろうとしているが、悔しがっているのは中国も同じかもしれない。中国は2013―2017年の5年間は首位を維持していたが、それ以降は1位を譲っている。富岳は、コロナで疲弊した日本の希望とも言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)