日本経営管理教育協会がみる中国 第626回 ――宮本邦夫

 新型コロナウイルス感染予防対策の一環としてテレワークを実施している企業が多い。また、テレワークについては、コロナが終了しても続けていきたいとしている会社も少なくない。つまり、テレワークは働き改革の方法として定着する可能性が高い。そこで問題になるのが、如何にテレワークを効率的、効果的に行うかであるが、そのためには「目標による管理」の手法を使うのが最適だと思われる。

◇「目標による管理」の真の意味を理解することが先決

 「目標による管理」は、P.F.ドラッカー教授が提唱したことで知られており、近年、人事評価の手法として 広く普及している。だからといって、完全に理解したうえで活用しているかと言えば、決してそうではない。例えば、「目標による管理」とは言わずに「目標管理」という言い方が定着しているが、これが誤解の一因になっている。「目標による管理」の原語は Management By Objectives & Self-controlである。つまり、後半の Self-control (自己統制)を置き去りにして解釈しているのである。この「自己統制」すなわち自己管理が重要であることをまず理解しなければならない。

◇上司の方針に沿った目標の設定を

 「目標による管理」は、自己管理がツボであるから、PDCAサイクルを自分で回すことになる。まずP(プラン)を自分で行うことになるが、自分勝手な目標を設定して良いわけではない。テレワークは、会社の仕事である以上、会社の方針、上司の方針に沿ったものでなければならない。とりわけ、上司の方針に合致した目標を設定することが大切である。したがって、目標を自己設定したあと上司の了解をとることである。了解を得た目標について、それをどのように達成するのか、その効率的な手順、スケジュールなどをよく考えてからD(ドウ)の段階に移っていく。

◇目標達成度の評価は客観的に

 D(ドウ)のステップが終わったら、ただちにC(チェック)を行う。つまり、目標達成度の評価を行うわけだが、評価は、より慎重に行うことが重要である。というのは、自己評価は、どうしても甘くなりがちであるし、感覚、感情で評価を下しやすいからである。このような感情評価をすれば、上司は不信感を抱く。そのため、目標達成度を定性的ではなく定量的に評価する工夫をすることである。その方法として、目標設定の際に、できるだけ数字を使った定量的な目標にすることである。このようにしてC(チェック)を行って何か問題があれば、A(アクション)つまり改善を行うことになる。(写真は、テレワークで3密を減らしたい品川駅。提供:日本経営管理教育協会)