中国及び台湾が「固有の領土」として主権を主張している尖閣諸島(中国名:釣魚島)。新型コロナウイルスのさなか、中国は尖閣諸島周辺海域での行動をエスカレートさせており、6月21日の時点で中国海警局の艦船の航行が69日間連続で確認されている。これは2012年9月の尖閣諸島国有地化以降、最長の連続日数となっている。

 そんななか、中国メディアの今日頭条は26日、「台湾の4人の指導者は尖閣諸島に対する主張が異なっている」とする記事を掲載した。台湾の厳戒令が解かれてからの李登輝氏、陳水扁氏、馬英九氏、そして現職の蔡英文氏の尖閣諸島への対応をそれぞれ紹介している。

 李登輝氏は台湾の民主化の礎を築き、台湾初の直接選挙で総統となった人物だ。記事は李氏について、尖閣諸島に対する見方が「最も極端な人物」と否定的に紹介している。なぜなら、李氏は著書の「余生:私の命の旅と台湾の民主の道」ではっきりと「尖閣諸島は台湾のものではない」と主張しているからだ。歴史的に見ても尖閣諸島が中国のものであるという証拠はなく、国際法からしても主権は日本にあると明言したと伝えた。

 一方、民進党の陳水扁氏は尖閣諸島の台湾主権を明確に主張。任期中に尖閣諸島をめぐる争いはなく、話し合いによる解決を目指し、漁業権と主権を分けて扱うことで、日本から漁業権を獲得したと記事は評価した。その後の国民党・馬英九氏は「尖閣を守る戦いで重要な成員」と記事は紹介。陳氏と同じく話し合いによって2013年には日台漁業取り決めを結び、主権を譲るのではなく資源を共有することに成功したため、「在任中の重要な成果」と高く評価した。

 現職の蔡英文氏については、尖閣諸島の主権を主張してはいるものの、中国の積極的な行動には反応がなく「塩対応」で、口頭での主張にとどめていると紹介。馬英九氏のような熱意は見られないことを歯がゆそうに伝えた。

 尖閣諸島問題を巡っては、中国は台湾に連携を呼び掛けていたが台湾は応じておらず、中国のような強硬姿勢とは違い、漁業権など実利を重視した堅実な交渉をしていると言えそうだ。やはり日本としては中国の主張と行動に警戒すべきであるのは言うまでもないことだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)