中国のインフラ建設のスピードは目を見張るものがあり、得意の人海戦術と突貫工事によって何でも短期間で完成させてしまう。しかし、その背後では事故も多発しているのが現状だという。中国メディアの今日頭条は10日、日中の建設作業現場を比較し、「日本の建設現場ではなぜ事故が少ないのか」と疑問を投げかける記事を掲載した。

 記事は、事故が多発する中国の建設現場に対し、日本では事故が非常に少ないことを強調し、それは「緻密な管理」に理由があり、日中では建設現場の作業管理工程や労働環境が大きく異なると指摘。

 まず、中国の建設現場で働く作業員の年齢は40歳以上が4割で、労働時間は1日平均9時間、年間労働日数は平均324日、給与を時給換算すると約22元(約330円)にとどまると紹介。危険な仕事であるにもかかわらず、保険は9割以上の人がわずかな補償しかない労災保険に個人で入るのみとし、日本と比較すると「労働環境が過酷で福利厚生も手薄」と訴えた。

 また、日中の大きな相違として「現場の作業環境」を挙げ、日本は食事をする休憩所、更衣室、道具置き場などがあり、作業員は基本的に自宅から出勤すると指摘。一方、中国は農村からの出稼ぎ労働者が多く、現場に隣接する仮設のブレハブ宿舎で生活するため労働環境と生活環境ともに良くないことを指摘した。

 さらに、日本は「安全管理制度」が設けられ、毎日作業員全員が作業工程を確認するなど、同時に安全意識を高める取り組みがなされているほか、現場の整理整頓も事故に繋がる危険を減らす重要な作業として管理されていることを説明。こうして、日本は「現場の管理体制と作業員が受ける教育」によって、作業に伴う事故や危険をできる限り減らす取り組みがされていると伝えた。

 中国の工事現場で働く作業員の労働環境は悪く、きつくて危険な仕事に対する給与は見合っていないように感じられるが、それでも農村からの出稼ぎ労働者にとっては重要な働き口となっている。人海戦術に頼る中国の建設現場において、作業スピードと安全性の両立は難しい課題のようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)