世界には様々な美食が存在する。中国でも大都市では各国を代表するレストランが軒を連ねており、やはり海外の食への関心は高い。ところで、各国それぞれを代表する美食を順番に考えていくと、当然浮かんでくるのは「では中国を代表する美食とは?」という話題になる。その疑問に答えた中国メディア百度の記事は、いくらか拍子抜けさせられるものだった。では、中国メディアが自信満々で答えた「中国を代表する美食」とは何か。

 記事は、まず各国を代表する美食を順番に紹介している。日本と言えば寿司。フランスと言えばフォアグラ。スイスはチーズフォンデュ。メキシコはタコスと順番に列挙している。

 最後は、いよいよ中国。中国を代表する美食は、と問われると「満漢全席」との答えだった。「満漢全席」とは清の乾隆帝やから西太后までの間に食べられていた宮廷料理で、100種類以上の料理が机を埋め尽くす宴会料理のこと。その豪華さは疑いの余地はないが、問題は満漢全席の完全なレシピは存在していないこと。清朝の滅亡とともに宮廷料理人も離散し、現在レストランで「満漢全席」として提供されているメニューは、当時の料理の資料を参考に、現代の料理人が想像を膨らませて作り上げた「創作物」にすぎない。中国メディアの記事は「いろいろな国の美食を見た後で、中国の満漢全席を見るとそのすごさが一層際立つ」と称賛しているが、すでに「幻の料理」となってしまっているものを取り上げ称賛する記事に、いささか拍子抜けしてしまった。

 たしかに、中国大陸は広く各地に様々な美食があるのは事実で、そうしたメニューはどれも甲乙つけがたい。記事はそうした「中華料理」の総称として「満漢全席」という言葉を使っているのかもしれない。それにしても、やはり中国を代表する美食についてなぞは深まるばかりだ。(編集担当:時田瑞樹)(イメージ写真提供:123RF)