世界的な新型コロナウイルスの感染拡大に対し、世界各国が講じた感染抑止策は大きく2つに分けられる。1つは、中国に代表される都市の完全封鎖、いわゆるロックダウンによる封じ込めであり、もう1つは、日本に代表される強権的な都市封鎖を伴わない「市民の意思」に任せたものだ。どれ正解だったか、という問題の答えを出すのは難しいが、どちらも良かった点と問題点の総括は必要だろう。

 中国のポータルサイト・百度に12日「人文的な伝統から見る、日本の防疫対策」と題し、日本が持つ気候風土や国民性の特徴が、日本の新型コロナ対策に如実に表れたとする文章が掲載された。

 文章は、日本の新型コロナウイルス対策の特徴として「中央政府の権力に限界がある」、「検査実施のペースが遅かった」、「市民が権威に従うとともに、自律性を保った」という3つの特性があり、総じて「自律と協力」が最大のポイントだったと分析した。その上で、今回の日本における感染対策からうかがえる日本の人文的伝統について、人と自然、民族、社会、経済それぞれとの関わりという観点から論じている。

 まず、人と自然との関係として、「天人合一」が日本人の精神文化の大きな柱となっており、大きな災害の発生に対しても心を落ち着けて対処する特性があるとした。

 次に、人と民族との関係として集団主義を取り上げ、日本では話し方、物事の進め方、他人との付き合い方などに集団としての特定のルールがあると説明。このルールに反した場合には「村八分」という厳しい制裁による孤立が待っているため、人びとはルールを厳格に守って「村八分」にならないよう生きているとした。このために、強制的なロックダウンではなく「自粛のお願い」という弱いルールでも多くの日本人がこれを守ったという見立てのようだ。

 また、人と社会との関係においては独特の「権威主義」が大きな柱であると説明。日本では組織された社会内において、権威ある指導者層が強権的に人びとを統率するのではなく、高い協調能力を備えて被指導者層をリードしていると分析した。

 そして最後に、人と経済との関係については、国民生活から医療リソースに至るまで大多数の分野を国ではなく私人が操縦しており、政府はあくまでも「行政指導」を行う立場であることを伝えている。

 文章は「感染対策にしろ何にしろ、各国の行動にはそれぞれの特色が存在する。その特色は、国の人文的な伝統から来るものであり、人文的な伝統は歴史の積み重ねによって形成されるとともに、地理環境による影響も大きいのである」とし、各国の新型コロナの感染対策についても、各国がそれぞれ持っている人文的な伝統がベースにあるとの見解を示した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)