企業の生産拠点が海外に移転することにより、国内産業が衰退していく現象を「産業の空洞化」というが、日本でも1980年代半ば以降の急速な円高で企業の海外移転が進み「産業空洞化」が問題となった。それでも世界的に見ると、先進国のなかでは産業空洞化を避けるのに成功してきたようだ。

 中国メディアの百家号はこのほど、欧米の先進国に顕著な「産業空洞化」が、日本とドイツは比較的少ないと紹介する記事を掲載した。日独は、欧米にはないどのような特徴があるのだろうか。
 
 記事は、欧米では1970年代以後労働力の安価な国に生産拠点を移したことで産業空洞化が進んだと紹介。国内に残ったのは金融業などのサービス業ばかりで、「米英仏」の3カ国でそれが顕著にあらわれたと伝えている。最近では、米国において新型コロナウイルスの問題でマスクなどが大量生産できない事態となったが、これも空洞化によるとしている。

 しかし記事は、日本とドイツでは産業空洞化が起きてはいないと紹介。その理由について、この2カ国は米英仏のように金融や観光などの第三次産業が発達しなかったからだと分析した。金融業界が発達すると大量の資金が金融へと流れ、製造業が衰退していくが、日本やドイツは製造業を重視しており、金融業界がそれほど発達しなかったのが良かったとしている。

 その上で記事は、日本もドイツもローエンド産業は海外へと流れてはいるものの、世界をリードする自動車、工作機械、機械、化学工業、精密機械などのハイエンド製造業が国内に残っており、製造業が国の経済を支えていると論じた。

 今回の新型コロナで、日本政府も製造業の国内回帰や多角化を促進する方針であり、日本の製造業はこれからも日本経済を支えていく柱となっていくことだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)