道路がバイクで埋め尽くされるベトナムはバイク王国と呼ばれることもあるが、ベトナムのバイク市場ではホンダ、ヤマハ、スズキという日本企業のほか、台湾系の三陽工業、そしてイタリアのピアジオという5社が市場シェアのほぼすべてを押さえている。
 
 2019年のベトナムバイク市場で、ホンダは79%のシェアを獲得したが、中国メディアの百度はこのほど、「バイクだらけのベトナム市街地ではなぜ日本製のバイクしか見かけないのか」と題する記事を掲載しつつ、「中国メーカーがベトナムで生き残れなかった理由を絶対に忘れてはならない」と論じた。

 記事は、ベトナムは中国と古代から密接な交流がある国であり、また現代においても多くの中国人がベトナム旅行を楽しんでいると紹介。しかしベトナム旅行の時に中国人が現地で目にするのは「日本メーカーのバイク一色」という状況であり、バイク製造大国であるはずの中国のバイクを見かけることはないと指摘した。

 では、なぜベトナムで中国製バイクは売れないのだろうか。1990年代から2000年代初頭にかけて、中国は最も早くベトナムのバイク市場に参入した国の1つであり、中国製のバイクは当初はコストパフォーマンスが良かったため当時のベトナム人消費者から支持されたと紹介。しかし多くの中国メーカーがベトナム市場に参入するにつれて「値下げ競争」が始まり、その結果バイクの品質を下げざるを得ない状況となり、中国製バイクの欠陥に起因する交通事故が多発するようになったため、中国製バイクのブランド力と評価は急速に低下したと指摘した。

 ベトナム人はもはやこのような中国製バイクを欲しいとは思わなくなり、価格は高いがクオリティが良く、命の安全を保障してくれる日本ブランドのバイクに目を向けるようになったと説明。現在ベトナム市場における中国製バイクのシェアは5%に満たないと指摘し、「中国メーカー同士が価格競争を繰り広げ、共倒れになってしまった教訓を忘れてはならない」と論じた。

 ベトナムでは近年、電動バイクに対する注目が高まっており、ホンダを含む多くの主要メーカーがこの市場に参入を始めている。中国は電動バイク製造大国でもあるが、今後ベトナムの電動バイク市場に参入するにあたって過去の教訓を活かすことはできるのだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)