中国国家統計局が2020年1月に発表した中国人の年収に関する資料によれば、2019年の中国農村部の一人当たり可処分所得は約1万6000元(約24万円)だった。中国では年々物価が上昇しており、これでは豊かな暮らしは不可能というものだ。

 中国では農村から都市部に出稼ぎに行く人が多く、農民工と呼ばれる出稼ぎ労働者が都市部の発展を下支えしていると言われているが、大量の農民工の存在こそが中国農村部における生活の苦しさを物語っていると言えるだろう。中国メディアの百家号は16日、「日本の農業従事者はなぜ貧しくないのか」と題する記事を掲載した。

 記事は、中国は農業大国ではあるものの、農民の平均収入は決して多くないと指摘し、第二次・第三次産業に比べて「農業は儲かる仕事ではないため、農民に対して『貧乏』というレッテルを貼る中国人は少なくない」と論じた。

 しかし、日本の場合、農家は貧しくないと指摘し、農業だけで生活を維持することも可能であると強調。なぜ日本の農民は中国とは違って貧しくないのかと問いかけた。この問いかけの答えとして、まず第一に政府が農民に補助金を給付しているという点を取り上げ、農業機械の購入に一定の政府補助金を利用できる以外にも様々な補助金や給付金が存在すると説明した。

 こうした制度は、日本の農家の農産物生産に対する意欲を「大いに高める」効果があると指摘したほか、日本の農村の物価は都市部に比べてかなり安いため、「高収入・低支出」の生活が成り立つと説明した。

 日本では農作物の品質を高めるために品種改良が継続的に行われ、高品質な農作物をブランド化するなどの取り組みが行われている。また、生産された農作物を販売する前には洗浄・選別、さらには丁寧な包装も当たり前のように行われているが、こうしたことが中国の農業ではまだ浸透しておらず、大量生産のためには大量の農薬を使うことすら厭わない状況が各地で見られる。消費者が安心して口にできる農作物を作れるようになれば、農業でも豊かな暮らしができるようになるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)