漢方薬が中国に起源を持つ薬であることは日本でも広く知られているが、中国では近年は西洋医学に基づく西洋薬の方が支持を集めているのが現状だ。中国メディアの百家号は13日、日本が漢方薬の世界市場で大きなシェアを獲得し、大きな利益を上げていることに着目し、「中国は国粋である漢方薬を日本に奪われてしまった」と嘆く記事を掲載した。

 記事は、日本企業が生産する漢方薬は世界市場で圧倒的なシェアを獲得しており、その漢方薬の原料の多くは中国から輸入したものだと強調。一方、漢方薬の起源は東洋医学にあり、中国にあると主張しつつも、「中国の土で生まれたはずの漢方薬が、日本から世界に向けて輸出されているという状況は「中国の国粋を日本に盗まれてしまった」ようなものだと主張した。

 続けて、日本の漢方薬がここまで大きな産業に成長した背景には、「漢方医学が日本人に広く認知され、支持されている事実」があると指摘。漢方薬は西洋薬のように1つの症状に対する強い効果や即効性は無いものの、「漢方薬は慢性的な病気に効果があるとされ、複数の病気や症状にも処方可能であることが日本で評価されいる」と強調。政府の後押しもあり一部の漢方薬には保険が適用されているとした。

 一方、中国では漢方医学を用いた治療に対し、「明確な根拠の無い民間療法だ」と考える人が増え、逆に西洋医学は科学的で信頼できるという風潮が見られると紹介。さらに、漢方医学の知識を持たずに診察する無責任な偽医者の横行によって、本当に腕のある「中医」の評価が汚されたことも、中国における漢方医学の発展を阻害する要因となっていると嘆いた。

 記事は、多くの国で現在、漢方医学が注目され、「中医」の治療施設が設けられ国の保険が適用される医療として認められていると指摘。今後日本から中国の国粋を取り戻すためには「まずは中国人の漢方薬に対する信頼を回復させなけらばならない」と訴えた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)