毎年秋になると、中国人は「切ない気持ちになる」そうだ。それはノーベル賞の発表があるからで、日本からは毎年のように受賞者が出るのに、中国からはなぜかほとんど出ていない。中国メディアの今日頭条はこのほど、日本は「50年で30人のノーベル賞受賞者を輩出」という無茶な目標を達成させようとしているとする記事を掲載した。

 これは、2001年に発表された「科学技術基本計画」のことを指しているのだが、そこには「50年間にノーベル賞受賞者30人程度」という文言が盛り込まれている。記事は、当時まだ9人しか受賞者を出していなかった国が「無茶な目標を立てたとしか思わなかった」としながらも、その後は驚異的なペースで受賞者を輩出しており、着実に目標に向かって進んでいると指摘した。

 記事は、日本が多くのノーベル賞受賞者を輩出できた要因として「研究開発への投資額」が多いことを挙げた。日本が教育と研究開発にかける投資額は、GDPに占める割合では世界有数の水準だと主張した。2つ目の理由は「知識層の社会的立場」の高さだ。日本の紙幣に描かれる人物選定からわかるように、日本における教育者や学者の社会的地位は高いと感心。この点、中国の紙幣は1元札から100元札まですべて毛沢東であり大きく違っているところだ。

 3つ目は「自然界への好奇心」で、日本のノーベル賞受賞者は子どものころ山や川で遊びまわり、自然に触れる機会が多かったことが関係していると分析した。4つ目には、国民が全体的に「読書の良い習慣」を持っていること、最後には「一生をかけてなにか1つのことを続ける」ことを指摘している。記事は、ノーベル賞受賞の最も根底にあるのは好奇心や社会人としての責任感だと分析。学者や知識を心から敬う気持ちは、ノーベル賞以前に人として根本的に大切なものではないかと締めくくった。

 記事に対して、「知識を尊重するには科学を尊重し人材を尊重しないといけないが、中国は権力至上主義」、「ノーベル賞より一流都市に家を持つことの方が重要」などの指摘が見られ、中国では拝金主義・物質至上主義が横行している現実を感じさせる。まずはそこから変わる必要がありそうだが、今のところそれも難しそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)