和食は、2013年にユネスコ無形文化遺産に登録されており、他にも食の無形文化遺産としては、フランス料理やメキシコ料理なども登録されている。長い歴史を誇る中華料理が無形文化遺産に登録されていないのは不思議なことだが、中国メディアの今日頭条はこのほど「なぜ海外での中華料理の地位は和食に及ばないのか」と疑問を投げかける記事を掲載した。

 記事はまず、コロナウイルス感染拡大で世界中の中華料理店の経営が厳しくなっていると紹介。これは、主な顧客が地元の中華系コミュニティと中国からの旅行客だったからだと指摘し、裏を返すと「それだけ地元住民に受け入れられていないことを示している」と主張した。この点、和食は海外でもしっかりと地元に根ざしてきたとして、欧米で日本料理の地位が高く中華料理が低い理由について分析した。

 その1つは「中華料理の味と料理法が独特過ぎる」ことにあるという。中華料理には辛いものが多く、調理方法も複雑で、味付けにも作り方にもシンプルな分かりやすさを好む西洋人には自然と和食の方が好まれるとした。

 2つ目は、「提供方法が西洋人の好みに合っていない」こと。中華料理の良さは、みんなでにぎやかに食卓を囲み、大皿で提供して取り分けることにある。しかしこの方式は西洋人の習慣にマッチしていないという。また、欧米では中華料理は「テイクアウト」として販売されることが多く、自然と価格帯も地位も下がってしまうのだと分析。この点、シンプルで軽く食べられるランチにも、ディナーに使える高級さも兼ね備えている和食は西洋人受けすると分析した。

 そして3つ目は「手軽なファストフードとして海外で広まってしまった」こと。1980年代の健康ブームの中で油っこい中華料理はジャンクフードに認定されてしまい、華僑が欧米で次々と中華料理店を開いた90年代には、価格競争を激化させコックのレベルを下げて自滅してしまったと指摘。逆に和食はレベルの高い料理人が海外に進出し、高級なイメージの構築に成功したと比較している。

 西洋で広まった中華料理の主な問題点は、中華料理そのものというよりも、文化の輸出にあるのかもしれない。和食が食の無形文化遺産に登録されたのも、食材や食事そのものではなく和食という食文化にあったようだ。現在は新型コロナの影響で世界中の飲食業が厳しい状況だが、各国で地元の人々に愛され成長してきた和食店には生き残ってほしいものである。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)