中国メディア・環球時報は14日、「ハンコ」の文化が日本における完全テレワークを難しくしている一番の要因だとする記事を掲載した。

 記事は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、近ごろ日本企業では続々とテレワークが導入されている一方で、実際には従業員が完全に自宅で業務を完了することは難しく、週に2~3回はオフィスに行かざるを得ないケースも少なくないと紹介。その一番の理由が「紙の文書を処理し、ハンコを押す手続きをしなければならないから」なのだと驚きをもって伝えた。

 そして、日本企業の運営は現在もなお多くの紙ベースの文書によって行われていると説明。日本企業では、行政機関の方式に倣った稟議制が一般的になっており、従業員は企画の提出から備品の購入に至るまでその都度稟議書を作成してその目的や用途を記入したうえで上司に申請し、課長、部長など複数の上司のハンコをもらわなけば決裁が下りない仕組みなっているのだとしている。

 そのうえで、企業のCFO(最高財務責任者)支援団体である日本CFO協会が先月18日から今月3日にかけて日本の上場企業のCFO577人に対して実施した新型ウイルスによる業務への影響に関するアンケートで、「ハンコを押す業務の存在が、テレワークを妨げている最大の原因」との結果が出たことを紹介した。

 記事はさらに「おもしろいこと」として、昨年9月に情報通信技術政策担当大臣に就任した竹本直一氏が日本の印章制度・文化を守る議員連盟の発起人であり、会長を務めていることを紹介。本人がこれまで「印章文化とデジタル化、電子化社会は対立するものではなく、工夫をして両者を共存させる必要がある」と説明してきたことを伝えている。

 10年前からペーパーレス化に取り組んできた企業もあれば、旧態依然としてハンコ第一主義を貫いてきた企業も少なくない。そんな後者が今回の緊急事態のなかで短期間のうちにすぐにペーパーレス化、社員の完全テレワークを実現できる可能性は決して高くないだろう。ハンコの文化を残すかどうかは別として、いざという時には可及的速やかにテレワークに移行できる体制を作っておくことが、今後企業にとって必須事項となりそうだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)