日本経営管理教育協会が見る中国 第614回 ――三好康司

 新型コロナウイルスが依然、猛威をふるっている。東京都の小池都知事よりは、首都圏での外出自粛要請も飛び出した。また、東京、神奈川、千葉、埼玉、山梨の一都四県も共同歩調を取り、不要不急の外出自粛を求めている。人の流れ、物の流れも止まってきた現状、中小企業・小規模事業者の経営は大変なことになってきている。私は、東京都内2カ所の公的機関で産業支援を行っているが、伺う内容は、新聞やテレビで報道されている状況より、はるかに深刻だ。新型コロナウイルスが中小企業・小規模事業者にどのような影響を与えているか、代表例をいくつかお伝えしたい。

1.学校休校

 新型コロナウイルスの感染防止の観点から、小中高校などでの休校が相次いでいる。その結果、給食事業者など様々な業界への影響が報道されているが、私がお聞きした中では、イベント向け仕出し弁当会社が大きな影響を受けていた。3月の卒業式に関する茶話会、謝恩会などがほぼ全て中止になったため、そこに納品が決まっていた弁当の発注が全てキャンセルされてしまっている。

2.外国との往来ストップ

 ホテル、旅行会社はもちろんであるが、中小企業で影響を受けている例の一つが民泊事業者である。昨今のインバウンド観光客の増加、2020年の東京オリンピックの開催もあり、この数年間、多くの中小企業・小規模事業者が外国人向け民泊事業に参入した。中には、多額の改装費をかけて民泊をオープンした事業者もいる。外国人向けから日本人向けに舵をきろうとしている事業者もいるものの、人の流れがストップしているため、すぐには転換ができない。
 
3.サプライチェーンの分断

 世界の工場である中国での感染者拡大により、中国で製造・生産される製品の輸入がかなりストップしている。大手小売店のPB(Private Brand)を製造している中小企業も、全く製品が入ってこず対応に苦慮しているとのこと。大手小売店からは、「中国から入ってこないのであれば、日本でも他の国でもよいので、代替品を確保し、期日通りに納品せよ」と言われているそうであるが、そのような都合のよい製造拠点は早々には見つかるはずもない。
 
 テレワーク・在宅勤務が推奨されているが、そのような対応が可能なのは大企業である。中小企業・小規模事業者に関しては、テレワーク・在宅勤務での業務は、まだ難しい状況にある。日本の99.7%が中小企業・小規模事業者である以上、新型コロナウイルスが早期に収束しないと、日本経済に与える影響は甚大なものとなる。そのようなことにならぬよう、私も、週末の外出自粛等、政府や都道府県の要望には、できるだけ協力していきたいと考えている。(写真は、外出自粛後4月4日(土)渋谷地下道は空いていた。提供:日本経営管理教育協会)