ベトナムは年々人口が増加し続け、人口一億人に達成するのも時間の問題だろう。一方、ベトナムのバイクの数は4500万台を超えており、毎年300万台以上の割合で増え続けている。また、ベトナムのバイク所有量は、インドと中国に次いで3番目に多い。そんな中、現在日本のバイクがベトナム市場の98%を占めている。とはいえ、かつてベトナム市場の半分を中国製のバイクが占めていた。また、不思議なことに中国で普及している電動自転車もほとんどない。どうしてなのか。その原因について中国メディア転瞬間落日残煙がこう説明している。

 1990年代に中国製のバイクがベトナム市場に参入したものの、中国製のバイクは質が悪く数年で壊れてしまう。最低10~20年は乗り続けたいというベトナム人の期待に答えてくれたのが、日本製のバイクだったのだ。中国製のバイクは、燃費もよく耐久性もある日本製のバイクに徐々にシェアを奪われていった。

 さらに、ベトナムに電動自転車が不向きなのはその地形が関係している。平地が少なく、多くは山、丘、ジャングル、斜面があるため、馬力のない電動自転車は不向きだ。ベトナムの多くの農村部では電力がなく電動自転車を充電することすらできない。バッテリーの消耗が早い電動自転車は、まだベトナムには合わないのだ。さらにベトナムではバイクを用いて商品を輸送する習慣があり、電気自動車にはそれに見合う十分な馬力がなく役に立たない。

 では、日本以外のバイクメーカーはどうか。かつて、ヨーロッパのバイクがベトナム市場に参入したこともあるが、ベトナムは関税がとても高く、高級品であるヨーロッパのバイクはベトナム市場には合わなかった。また、ヨーロッパスタイルのバイクは基本的にヨーロッパ人の身長に合わせて設計されており、身長が低いベトナム人には、ヨーロッパのバイクには向いていなかったのだ。

 こうした複数の要素でベトナムは今でも、日本製のバイクの独占状態となっている。もちろん、今後中国製や台湾製のバイクが品質、価格ともにベトナム人の予算と見合ってくれば今後変化していく可能性もある。日本メーカーとしても、厳しい市場競争の中でコスパや地位を維持するために奮闘し続けなければならないだろう。(編集担当:時田瑞樹)(イメージ写真提供:123RF)