これまで、中国で数多く制作され、テレビで1日中放送されてきた抗日ドラマ。あり得ない設定やストーリーが多く、ネット上ではその荒唐無稽ぶりを揶揄して「抗日神劇」という造語もできたほどだ。最近ではあまりの質の低下に、当局による規制が入るようになったようだが、中国メディアの百度は12日、「日本人が抗日映画を見たらどう反応するか」と題する記事を掲載した。

 記事はまず、抗日ドラマを「中国の特色の1つ」と紹介。こういった抗日ドラマを作るのは中国くらいのものだろう。表面上は、日本から受けた侵略の歴史を忘れないためという大義名分が付いているが、記事の中国人筆者から見ても、抗日ドラマは「実際の歴史とはかけ離れている」そうだ。

 その具体例として記事は、抗日ドラマで戦時中にはまだなかった59式戦車が出てくるものや、ガトリング砲の銃弾を中国兵がかわすシーンなどを挙げ、「ほとんどSFの世界」だと指摘した。

 では、このような抗日ドラマを見た日本人はどのような感想を持つのだろうか。一例として記事は、中国でもかなり話題となった「素手で日本兵を真っ二つにするシーン」のある抗日ドラマを見た日本人の反応を紹介。「これがあの伝説の中国カンフーか」、「なんてすごいんだ。この人の腕力がとても強いに違ない」、「面白いと思う。これはコメディに違いない。軍事を題材としたコメディだ」などの感想があったという。

 また、別の例として、中国兵が十数人に一斉に射撃されてもすべてかわし、ダーツのようなものを日本兵へ投げると百発百中で全員に命中するシーンを見た日本のネットユーザーからは「お笑いという角度から見ると見るに値する」などと評価されていると記事は伝えた。

 それで記事は、「基本的に日本人は、抗日ドラマをコメディとして見ている」と分析。こうした作品は「日本人に笑われている」と締めくくった。抗日映画を日本人に面白がられているというのは中国人としては複雑な心境なのかもしれないが、本当に過去の歴史を国民に記憶させたいなら、エンターティメントに走ることなく、史実に基づいた作品を作ることが重要だろうが、それは無理な注文なのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)