日本経営管理教育協会が見る中国 第607回 ――水野隆張

◆新型型肺炎コロナウイルスの感染リスクが沿海部で深刻化

 新型型肺炎コロナウイルスの感染リスクが発生源である湖北省武漢市から飛び火して広東省の広州市深セン市、浙江省の杭州市など沿海部で感染が深刻化している。新型肺炎コロナウイルスの拡大ペースは衰えておらず、中国の経済活動の本格回復には時間がかかりそうだ。

 新型肺炎コロナウイルスの遺伝情報は2002年~03年に広がった重症急性呼吸器症候群(SARS=サーズ)と似ているという。サーズは収束までに約8カ月かかった。新型肺炎コロナウイルスも東京五輪までに収まらない可能性も取り沙汰されている。まして、4月ごろに予定されている習近平主席の国賓待遇来日は殆ど不可能に近いであろう。

◆習近平主席の国賓待遇来日は控えるべきであろう

 令和時代になってまず国賓待遇で来日したのは同盟国米国のトランプ大統領であった。習近平主席の国賓待遇来日は二度目となる。米国と深刻な対立を続けている中国を日本の同盟国と同等の扱いで迎えることは米国への配慮欠くことになるばかりか、尖閣列島への艦船の常時侵入状況やスパイ容疑で拘束されている邦人の救出も未解決のまま天皇陛下との面談を許すことはこの際控えるべきではないだろうか? 

 むしろ、この際対中長期的戦略目標として「ポスト習近平時代を見据えて対外膨張主義が収まるまで凌ぐ」という中国内部で守勢に立つ現状維持陣営が現状打破陣営によって内部崩壊するまで持久戦を試みることを提案したいと思う。

◆日本は近隣友好国からなる多国間制度を大いに活用すべきであろう

 軍事面で中国は成長しつつあるが総合的には尚米国を相手に勝ることは出来な状況にある。米国との同盟関係を緊密に保ちながら「力の均衡」を中国に対して維持・強化していくのが日本にとって緊急の課題であろう。同時に日本は近隣友好国からなる多国間制度を大いに活用すべきであろう。2国間関係では米国に圧倒されるかもしれないが多国間ではそれが薄まり、他の国々と組んで対米交渉力が上昇する機会がでてくるからである。

 米中間の覇権争いは今後も続くであろう。国力に劣る日本がその中でしたたかに生き延びるには、大局観に基づく英知が欠かせない。ポスト習近平時代に中国との間に友好国関係が結ばれることになれば日本の防衛予算は削減されることになるであろう。そんな時代が令和の時代に来ることを願って止まないところである。(写真は、中国・国の変遷。提供:日本経営管理教育協会)