日本経営管理教育協会がみる中国 第602回 ――宮本邦夫

 まもなく中国の正月である春節を迎えるが、今年も多くの中国人が日本を訪れると予想される。何しろ中国人の訪日客は全体の約30%を占めるという、日本にとって大事なお得意様である。その大事なお得意様に引き続き来てもらうためには、どのようなもてなし方をすればよいのか、以下でいろいろと検討してみることにしよう。

◇「コト」面では体験型のサービスに力点を置く

 中国人訪日客は、かつては「爆買い」をする目的で来日する人が多かったが、現在は、「モノ」を買うよりも、「コト」を求めて訪日する人が増えている。「コト」は、別の言い方をすれば「サービス」である。つまり、日本的なサービスを受けたいと思ってやってくる中国人が増加しているということである。サービスと言っても、いろいろあるわけだが、その中でも体験型のサービスに関心が高いと思われる。したがって、中国では味わえない日本ならではの体験型サービスには、どのようなものがあるのか、よく研究して提供するサービスを選択すべきである。

◇地方色が色濃いものを売り物にする

 中国人の訪問客には、リピーターが多い。なかには、年に数回も訪日する中国の人もいるという。このようなリピーターは、都会よりも地方に行きたいと思っている傾向が強い。都会生活は、世界のどこでも似たようなものであるが、地方には、その土地の風俗習慣があり、訪れる者にとってその非日常性が興味関心の的になる。とりわけ、北京、上海などの大都会からのリピーターは、地方独自の風俗習慣に強い興味関心を持っていると言える。そこで、他の地域には見られない、その地方の独特な風俗習慣が体験できるようなサービスを創り出し提供することである。

◇日本の文化について再確認する

 都会における体験型のサービスにしても、地方における生活習慣をベースにしたサービスにしても、共通するのは、それが日本的な文化に根差していることが条件となる。というのは、大多数の中国人訪問客は、日本の文化に接したいと要望しているからである。したがって、提供するサービスは、日本のどのような伝統文化に基づいているのかをよく検討しなければならない。そのためには、日本の文化について、再確認することが必要である。つまり、日本の文化とは何か、その特徴は何か、それが生活にどのような影響を与えているのかなどについて、改めて検討し直してみることである。(写真は、外国人観光客でも賑わう東京築地場外市場。提供:日本経営管理教育協会)