日本と中国はアジアを中心に高速鉄道計画の受注競争を繰り広げてきたが、中国メディアの網易はこのほど「日中の高速鉄道計画をめぐる競争に関するニュースがここのところ減少しているのはなぜか」と疑問を投げかける記事を掲載し、その背後にある要因について考察した。

 記事は、日本と中国が高速鉄道計画の受注競争を繰り広げたのは「数年前」のことであり、当時は日中の競争について多くの報道がなされ、中国でも大きな注目を集めたと指摘する一方、「最近はそうした報道はめっきり減ってしまった」と指摘。そして、その理由は中国が東南アジア市場で優位に立ち、「日中の受注競争は一区切りついた」ためであると論じた。

 続けて、新幹線は1964年に世界初の高速鉄道として開業したものの、2010年まで新幹線の輸出事例は「台湾への輸出」という1件だけに止まっていたと指摘。中国が国策として一帯一路戦略を打ち出したことをきっかけに、日本が輸出競争に参画したのであり、「受注しても着工すらできていない路線もあり、中国の方が競争では優位に立っている」と指摘した。

 さらに、東南アジア諸国では近年、高速鉄道への投資意欲が減退しつつあり、投資額を縮小したり、既存路線の高速化に切り替えるケースが増えていると指摘し、こうした変化は「建設コストが新幹線より大きな新幹線」にとって非常に不利であると主張。

 一方、それでも高速鉄道の建設を希望する国に対し、中国には「日本にはない2つの強み」があるとし、1つ目は「中国という巨大な市場と直接、高速鉄道で結ばれる」こと、2つ目が中国の資金力と中国高速鉄道の価格競争力であり、有利な条件での融資と安価な建設コストであると主張。こうした状況下において、新幹線と中国高速鉄道が東南アジアのプロジェクトで「真正面からぶつかる」ケースは減っているのだと伝え、「今後も受注競争は生じる可能性はあるものの、過去のような熾烈さはなくなるだろう」と主張した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)