国を挙げて高速鉄道産業の発展に取り組んでいる中国では、営業距離の長さや営業速度の速さにこだわりを見せている。現在、中国高速鉄道の最高営業速度は時速350キロとなっているが、中国側はさらなる速度アップにも意欲を示している。

 中国メディアの経済観察網は22日、中国鉄道部の前部長である傅志寰氏がこのほど、中国が現在、時速400キロ台で走行が可能な高速鉄道システムの開発に取り組んでいることを強調する一方、「時速500キロ台の鉄道システムについてはしばらくは不可能」と述べたことを伝えた。

 記事は、傅志寰氏について中国の電車事業における第一人者であり、中国の鉄道の時速アップに貢献した立役者だと紹介し、傅氏が山東省で開催されたフォーラムにおいて、「自分の経験上、市場を開放しても基幹技術は手に入らない」と述べたことを紹介した。

 中国はかつて電車を普及させるにあたってソ連の協力を仰いだが、事業が成功する前にソ連からの協力が打ち切られてしまったエピソードを紹介し、「その後10年という時間をかけて中国は自ら電車の技術を開発したのだ」と主張したことを伝えた。さらに、この経験は高速鉄道事業においても生かされたことを伝え、市場を開放せずに技術を導入したことで中国の鉄道産業は飛躍的に発展したことを紹介した。

 続けて記事は、中国は現在リニアシステムのほか、真空状態に近いチューブ内を高速で移動する「ハイパーループ構想」についても研究を行っていると述べたことを紹介する一方、「近い将来に中国に時速500キロで走行できる鉄道システムが誕生するかどうか」と言えば「その答えはノーだ」と述べたと紹介。試験走行では可能であっても、実際に営業運転で時速500キロを出すには「騒音問題をはじめ、解決しなければならない課題は多い」と発言したと伝えた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)