日本では今でも様々な分野で「ものづくりの職人」が活躍しており、中国では日本人の「匠の精神」を高く評価する声が多い。中国メディアの今日頭条は11日、「一生物のはさみ」を作る日本の職人について紹介する記事を掲載した。

 記事はまず、日本の職人の作るはさみは「100年使っても大丈夫」と紹介。まるで「生き物」のようで、刃物の材質、角度、広げたときの長さ、ねじの硬さ、柄の大きさなどに「匠の心が凝縮」されている、といかに奥が深いかを力説している。

 それにしても、なぜ日本には質の高いはさみを作る専門の職人がいるのだろうか。記事は、日本のはさみは日本刀の技術を応用して作られていると説明。明治時代の廃刀令で、日本刀の職人が「食い扶持を失った」ため、はさみなど生活の道具としての刃物を作る職人になったと説明した。そのため、西洋のはさみとは違い、軽量で、使用中に形がゆがんでもまた元に戻る独特の良さがあるという。

 しかし、はさみ職人は現在では日本に十数人しかないとも紹介。ある職人は83歳で、70年近くもはさみ職人を続けているそうだ。総火造りで、高温で焼くが機械で温度を設定しているわけではないので、鉄の温度を瞬時に見極められる経験が必要で、まさに「匠の技」と言えるだろう。

 そのうえ、はさみもいろいろな分野の専門家に愛用されていて、目的別にそれぞれ違っていると紹介。華道で使うはさみには、美しさだけでなく鋭利で素早く切れることが求められ、日本の伝統芸能の1つである紙切りの場合、寄席で披露することもあり、観客に見せながら切るので長いはさみを使う必要があるという。この場合、切りやすくするためにねじを緩くし、かつ複雑な形を切り落としてしまうのを防ぐために鋭利過ぎないように工夫をこらしているとも伝えている。

 まさに、「職人のつくるはさみは生き物」と言えるだろう。しかしはさみもそうだが、一人前になれるまで時間のかかる職人を育成するのは難しく、高齢化も深刻だ。日本が世界に誇る「匠の技」をぜひとも後世にまで伝えていってもらいたいものである。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)