中国人旅行客が日本を訪れて衝撃を受けるものの1つに「公共バスの時刻表」があるという。中国の公共バスには日本のような時刻表がなく、一般的には数十分間隔でバスが来るという運行方式だが、日本の公共バスの時刻表にはバスの到着時刻が分単位で記されているからだ。

 日本の公共バスには時刻表があるだけでなく、しかも実際に時間どおりに到着することに驚く中国人旅行客は多いが、中国メディアの今日頭条は「日本の公共バスは時間どおりに運行されているのに、中国はなぜこれができないのか」と題する記事を掲載した。

 記事は、日本の公共バスが時間に遅れないのは複数の要因によると指摘し、都市部ではバス専用レーンがあるほか、日本のドライバーは交通ルールを遵守するため渋滞が生じにくいことなどが関係していると説明。また日本には「定刻文化」つまり遅刻を容認しない文化が存在しており、この文化は公共バスだけでなくその他さまざまな業種や領域に浸透していると指摘し、こうした要因が積み重なり、日本ではバスですら時刻表どおりに運行されているのだと論じた。

 さらに日本にはこの定刻文化に加えて、ルース・ベネディクトが著書「菊と刀」の中で表した「恥の文化」も存在すると説明。恥の文化は「日本型集団主義」と密接に関係しており、個々の日本人にとっては個人の考え方よりも、コミュニティに認められて排除されないことこそ最も重視すべき事柄であり、日本では「時間に遅れる」ことは恥とみなされると強調。こうした文化的背景も日本社会において時間に非常に正確な交通システムが存在し得る要因の1つであると論じた。

 記事が用いた日本型集団主義という言葉の言外には、分単位で正確に運行する日本の公共バスのシステムは「多少行き過ぎの感がある」という含みもあるようだ。中国では数十分間隔でバスが来るというシステムでも何の支障もなく生活できるためかもしれない。中国では公共バスの接近を知らせるスマホアプリがあり、これを利用している人は多い。だが、日本社会が時間に極めて正確なのは恥を恐れるためだけではなく、他人の利益を重視するためとも言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)