中国は国策として高速鉄道網の整備を進めており、総延長はすでに圧倒的に世界一の規模となっている。だが、なかには利用客数の少ない路線もあって、赤字となっている路線も多い。

 中国メディアの今日頭条は10月31日、中国高速鉄道の運営が赤字になることは「もはや珍しいことではない」と指摘する一方、多くの中国人はどれほどの規模の赤字なのかは良く分かっていないと伝え、中国高速鉄道の運営における収支について考察する記事を掲載した。

 記事は、中国の国営鉄道会社である中国国家鉄路集団有限公司の傘下にある18の鉄道局のうち、2018年に黒字を確保できたのはわずか8つの鉄道局だけであり、それ以外はいずれも赤字であったことがメディアによって報じられたと紹介。そして、瀋陽鉄道局やハルビン鉄道局、成都鉄道局の18年の赤字額は100億元(約1535億円)を上回ったと伝えた。

 続けて、中国高速鉄道はなぜ赤字になるのかと疑問を投げかけ、それには3つの理由があると主張。まず1つ目は高速鉄道の「建設コスト」であり、中国は今なお高速鉄道網を拡大し続けているため、路線拡張のための投資が収益を圧迫しているのだと指摘した。また、高速鉄道は建設コストのみならず、運営コストも高いと指摘し、時速350キロメートルで高速鉄道を走行させる場合、電力コストだけでも1時間あたり5000元(約7万5000円)以上もかかるのだと指摘した。

 また、中国は国土が広く、人口は西部に比べて東部に多いと指摘し、「路線によって乗車率に大きなばらつきがある」と紹介。中国の東部は乗車率が高く、中西部は乗車率が低い傾向にあり、中西部における損失を東部が補っている構図になっていると指摘した。

 さらに記事は、中国はなぜ莫大な赤字が出ていても高速鉄道の建設を続けるかと疑問を投げかける一方で「高速鉄道は中国国民の生活を豊かにする存在であると同時に、中西部の都市の経済成長を促進し、内需拡大に寄与するインフラでもある」と指摘し、中国は目の前の赤字ではなく、将来の成長を見据えているのだと伝えた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)