低迷が続く中国の自動車市場では、在庫一掃のため大きな値引きセールが行われた2019年6月を除き、昨年半ばから前年割れがずっと続いている。そんななか、日系車の販売は好調で、今年1月から9月までのホンダの販売台数は前年比16.4%増、トヨタも15.7%増となった。

 中国の自動車市場が冷え込んでいるなかで、なぜ日系車は販売台数を伸ばし続けているのだろうか。中国メディアの今日頭条は25日、その理由を分析する記事を掲載した。一言でいうと「クチコミの良さ」が大きく関係しているという。

 記事は、多くの消費者は自動車にそれほど詳しいわけではないため、購入に際して「クチコミ」を頼りに決定すると分析。クチコミは多くの人の実体験に基づいているので、間違いがないとしている。そのうえで、日系車は「燃費が良い、耐久性が高い、残価率が高い、安定している」と評判で、実際に購入したオーナーから高く評価されていると紹介。自動車は消耗品なので、消費者が燃費や耐久性、残価率を気にするのは当然であり、日系車はこれらの面で優れているのでよく売れるのだと指摘した。

 しかし、記事によると少し前までは日系車のクチコミもそれほど良くはなかったそうだ。スペックが低いとか材料が悪いなどの悪い評判もあったが、「2018年以降の日系車の多くが変化し、評判が高くなっている」という。

 日系車の一番のデメリットは「安全性」だったと記事は指摘。実際には衝撃吸収ボディで安全性は高いが、中国では「ボディが薄くてすぐに変形し安全ではない」というイメージが根付いてしまっていた。このイメージを大きく覆したのが「中保研」だという。「中保研」とは、衝突試験などを行い自動車の安全性を検査する企業で、この結果が多くの中国人の予想に反して日系車が良い成績を収めたため、日系車人気に拍車をかけたと記事は分析している。「日系車は安全ではない」という主張に対する有力な反論の証拠となったのだという。

 こうしてみると、日系車が中国で販売台数を伸ばしているのは当然のことと言えるだろう。とはいえ、中国の自動車市場全体が長く低迷し続けているなかでの日系車の奮闘ぶりはやはり目を見張るものがある。この先も日本車人気は続いていくに違いない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)