1996年に中国に進出し95店舗を展開していたドイツ流通大手のメトロ。以前から仏カルフールの次に中国事業から撤退するのは同社との噂があったが、先日正式に中国企業による買収が決まった。

 中国メディアの中国経済週刊によると、10月11日にメトロと中国流通大手の北京物美商業集団(ウーマート)は、メトロの中国現地法人株式の20%をメトロ、80%を北京物美商業集団が所有するとの契約を行った。メトロのブランドは今後も維持されるという。合弁会社に対し80%を出資する北京物美商業集団の出資額は約119億元(約1800億円)で、カルフールを買収した中国家電量販大手蘇寧易購集団の出資額約60億元に比べると、およそ2倍の出資額となる模様。

 同記事は小売業関係の専門家のコメントを掲載しており、メトロは、現地の権限が限られており本社が中国の市場動向の変化に敏感ではなく多くの問題が長期にわたって改善されずにそのままにされ、また、出店のペースが遅く売り上げ規模が大きくないため仕入れにおける価格支配力がなかった、としている。

 カルフールに続く大型撤退となり、中国市場では外資流通業に対し強い逆風が吹いているようにみえる。ただ一方で、中国で約430店舗を展開する米ウォルマートは物流体制効率化のための投資を行うなど中国事業を拡大しつつあり、米コストコが本年1月に上海に出した中国1号店は、少なくともオープン当初は大盛況となった。日本についていえば、上海高島屋が閉店をいったん決めたものののちに撤回するなど混迷の様子をみせた一方で、イオン傘下のイオンモールは6月に江蘇省常熟市に中国で20番目となる施設を出店するなど拡張する姿勢をみせている。

 中国市場で踏ん張る外資流通企業は自社ブランドを展開したり、中国の電子商取引企業と協業したり、テナント構成の最適化を常時見直したりなどの努力を続けている。外資というだけで売れた時代は終わり、中国市場においても自国でのビジネス同様に市場動向に合わせて常に工夫し努力を続けることがより重要になっているということだろう。(編集担当:猶木縁一郎)(イメージ写真提供:123RF)