いま上海で、日本の居酒屋では当たり前に行われている商習慣が「強制消費」にあたるのではないかと論議されている。

 中国メディア新聞晨報によると、友人2人と上海北京西路の日本料理店で食事をした王さん(仮名)が注文を終えると、まもなく注文していないはずの前菜がひとりに一皿ずつ出され、店員に対しそれがなんであるかと質問したところ、店員は、この店で全ての客に対し提供している前菜で、料金はひとり20元(約300円)と答えた。王さんは食べたくないと言ったが店は受け付けず、結局3人で計60元(約900円)を余計に支払うことになった。王さんがこの出来事を中国版ツィッター微博(ウェイボ)に投稿したことから、日本料理店の「お通し」がネット上で広く話題となることとなった。

 取材に対しこの日本料理店の店主は、「お通し」が消費の強要ではないかと指摘されたのは初めてのことで、メニューには明記されているので今後もやめるつもりはない、と答えたという。

 同記事は弁護士の意見も掲載している。記事中の弁護士は「消費者権益保護法」の規定により消費者は自分がどのような商品やサービスを消費しているかを知る権利や、その商品、サービスを消費するかどうかを自主的に選択する権利を有しており、この店のやりかたは違法であるとしている。

 なお、同記事によれば、最終的にこの日本料理店の店主は王さんに対し当日の料金を全額返還し、また、注文時に客に対し前菜の要否を尋ね、客がいらないと言えば前菜を提供しないこととすると記者に対し述べたという。

 現在上海には3,000を超える日本料理店があるといわれている。上海の日本料理店の客の中心は、以前は日本人だったが、店が増え、上海の人々の需要が増える一方で日本人居住者の数が伸びていないことなどから、多くの店で上海の人々が客の中心となっている。日本人相手には通用していた日本流の商習慣を見直すべきときが来ているのかもしれない。(編集担当:猶木縁一郎)(イメージ写真提供:123RF)