中国では戸籍が日本でいう住民票のような役割をしているのだが、住民票とは異なり居住の場所が変わったからといって戸籍地を自由に動かすことはできない。1958年に制定された「戸口登記条例」では農民戸籍と都市住民戸籍とが分けられていたが、2016年に二種類の戸籍は一本に統合され農村から都市部へも戸籍を動かすことが制度上は可能となった。しかし、未だ戸籍地を自由に移動することはできないのだ。居住地に戸籍がないと、居住地で教育、医療など公共サービスを受けたり、就業したり、住宅や車など資産を購入したりする際に制約を受けることなどから、多数の沿海都市部で働く内陸部出身者が居住地の戸籍の取得を望んでいる。しかしそのハードルは高く、人々の不満は非常に強い。

  沿海部都市部のなかでも特に人気なのが首都北京だ。

 中国メディアの新華網によると、「北京市人力資源和社会保障局」が2019年分の北京戸籍取得可能者の発表を行った。北京戸籍取得申請者数は106,403人で、北京での就労状況、産業の分類、年齢等により算出されるポイントと順位がウェブに掲載された。北京戸籍取得を認められたのは6,007人で2019年10月23日から2021年12月31日の期間中に戸籍取得の手続きを行うことができるという。

 ちなみに2018年は申請者約12万人に対し取得を認められたのは5,777人であった。2年連続で申請者のうち5%程度しか戸籍取得を認められなかったのである。北京には北京戸籍を有しない住民が800万人いるといわれ、それを分母とするならば、わずか0.1%しか北京戸籍の取得ができないということになる。

 北京戸籍を取得したい人たちの不満は今後ますます募りそうで、北京よりもさらに優れた公共サービス等を受けることができる日本の戸籍取得希望者が増えることになるのかもしれない。(編集担当:猶木縁一郎)(イメージ写真提供:123RF)