中国では日本での健康診断がブームになりつつある。中国メディア捜狐は、2020年に日本で健康診断を受ける中国人の数は30万に到達し、費用総額は12兆円に上る、とある調査結果を紹介している。さらに、インターネットの検索結果も、海外医療関連で最も多く検索されたキーワードが、「日本 健康診断」だったことも紹介した。

 中国でも医療施設が整備が進んでいる昨今だが、それでも多くの中国人がこれほどまでに日本での健康診断を好むのはなぜなのだろうか。中国メディアは、その理由として、中国の医療事情や環境を挙げている。中国ではまだ、病院とは治療に行くところという考え方が根強く、予防や健康診断のために病院へ行くことはほとんどない。病院側にも、そういった意識はまだ低く、軽微な異常なども検査で見過ごされることも少なくない。そのため、健康に関心のある中国人にとっては、しっかり体のすみずみまでチェックしてくれる日本の病院で検査を受けてみたいと思うようだ。

 さらに、中国では、まだ患者に対して病院の数が追い付いておらず、病院はいつでも長蛇の列、「5時間待って、医者と話したのはたったの5分」という状況がほとんどだ。また、医者も休憩時間を取ることもままならず、当然医療やサービスの質も低下している。日本の医療ツーリストで訪れる中国人が「医者としっかりコミュニケーションを取れ、健康についての心配事に相談に乗ってくれる日本の医者のほうがサービスが優れている」と感じるのも無理はないだろう。

 さらに、日本に健康診断のために旅行する多くの中国人は、「日本の病院にある医療機器が最先端だから」と考えていることも紹介している。とはいえ、記事はこの点については、「事実はそうではない」と否定している。実のところ、中国の病院でも、中規模の病院でさえ日本と同程度の医療機器設は整備されている。この点に関し記事は、医療関連の旅行を仲介する専門家のインタビューを紹介し、「日本の医療が優れているは設備のためなのではなく、日本の医療現場の専門性が高いため」というコメントを紹介している。

 記事は、「結局のところ日本の医療が優れているのは、医療機器と言ったハードの問題ではなく、サービスや、医療スタッフの専門性といったソフトの問題」と結論付けた。昨今、多くの海外旅行客を引き付ける日本の医療が、日本の重要な観光資源になっていることも、見過ごせない事実なのだ。(編集担当:時田瑞樹)(イメージ写真提供:123RF)