中国の国家統計局と民生部がまとめたデータによると、中国の2018年の離婚登記数は380万1000組で、15年連続離婚率が上昇したという。この状況を受けて、何とか離婚をとどまらせようと、離婚を考えている夫婦を対象とした「離婚テスト」という制度する導入した省も出てきているほどだ。そのような中、中国メディア今日頭条は、日本では離婚とはまた異なる「卒婚」という夫婦関係の新概念が流行しているという記事を掲載した。

 記事で紹介されている「卒婚」とは、「離婚はせず、戸籍上の婚姻関係は結んだままではいるが、必ずしも同居することにこだわらず、夫婦はそれぞれ自由な生活を送ろう」という概念だ。これは、2004年に「卒婚のススメ」(杉山由美子著)という本によって広まった造語である。記事では、「人生100年」社会といわれている日本では、多くの日本人が、定年し、子供も独り立ちした後、残りの人生をどう過ごすかについて考えており、「卒婚」についての講座を開いている自治会まで存在するほどだと伝えた。

 さらに記事では、実際に卒婚を実行している夫婦は40~50代が最も多い点に注目。そしてその原因について、卒婚を実行する決定的要素は「夫婦が互いに経済的精神的に独立していること」であり、40~50代という年齢は、大半の日本人がまだ「現役」で働いている年齢であるため、自身で稼ぎを得ることができ、この時期から卒婚の準備にとりかかる夫婦が多いためであろうと考察した。

 また、「卒婚」と「離婚」の違いについて、「離婚」は互いに憎み恨みあい、財産争奪等の問題が起きやすい選択だが、「卒婚」はそのようなことはなく、「夫婦が互いに相手を尊重しあう」という前提の下、それぞれの生活を送るという異なった選択であると説明した。実際、離婚の際に、財産分与関係の揉め事は非常に多い。そのうえ中国では、2018年に新たに施行された新婚姻法が、離婚した際、財産分与の点で女性にとって不利になるとの不満の声も多くあがっており、離婚を考える女性にとっては離婚しづらい要因の1つにもなっている。

 そういった離婚による両者の揉め事の回避や、冒頭に述べた「離婚テスト」を受ける手間を考えると、中国人夫婦が今後の夫婦関係を考える際、離婚以外の選択肢として、この「卒婚」という「離婚せずとも、夫婦それぞれが自由に生活できる」新しい夫婦の形を検討する価値は、十分にあるといえるだろう。(イメージ写真提供:123RF)