中国では日本を旅行で訪れることについて「愛国心がない」などと批判する人が存在する。訪日中国人は増加の一途をたどっているが、日本に旅行に行くことを周囲に明かさぬまま訪日する中国人のも事実だ。

 中国メディアの今日頭条はこのほど、日本を旅行で訪れた中国人客の手記を掲載し、日本は中国人にとって「複雑な感情を抱かざるを得ない国」であるとし、日本は「中国では何かと議論の的になる国」であると主張する一方、実際に家族を連れて日本を訪れてみたところ「感動に満ち溢れた旅になった」と論じる記事を掲載した。

 記事の中国人筆者によれば、今回の訪日は筆者の親のための旅行であり、まず親の好みを優先して「年配者の体力を考慮しながらも最大限に異国の文化に触れる体験を楽しんで欲しい」と願い、上海から出港する大型クルーズ船で長崎と鹿児島を訪れる旅を選んだという。

 杭州に住むこの家族にとって、上海はアクセスしやすく、ちょうどネット上で超大型豪華客船スペクトラム・オブ・ザ・シーズの旅行を目にして、日本旅行を即決したという。なぜなら、「この客船は最先端の設備を備え、長期のクルーズでも乗客を飽きさせない」という評価を耳にしていたためだったそうだ。また、この客船を所有する米国ロイヤル・カリビアン・インターナショナル社は中国の旅行市場に参入して10年が経つゆえ、「中国人が船内での余暇を快適に過ごせるようにされている点」も決め手になったという。

 中国人の多くは国外旅行の際、現地の食事が口に合わないことに苦労する人が多い。中国ではサラダなど生食の習慣がないことに加え、冷たい物は体を冷やすとして、飲食するものは基本的に温かいものを必要とする。ゆえに、高齢の親に合わせ船内で中国人が好む食事も提供されることは大きな安心となったそうだ。

 いざ日本に到着してみると、長崎は非常に静かで落ち着きのある清潔な都市で、日本と中国のつながりも至る場所で感じられる雰囲気だったと紹介。また、鹿児島も自然と都市が融合した魅力的な都市であったと紹介し、筆者の両親もこの両都市を気に入ったと伝え、「旅を思い返しても非常に満足した気持ちが残っている」と感動した様子だ。日本を訪れることは「歴史問題から複雑な気持ち」があったようだが、「歴史問題を抜きにすれば、日本は最高の旅行先だ」と振り返っている。中国人が高齢の親と一緒に訪れる場合でも、日本は満足度の高い渡航先となっていることが分かるが、この中国人一家にとっては旅行を通じて、歴史的なわだかまりも少しは解けたようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)