急速な経済成長を背景に、中国ではビルが次々と建設されているが、建設現場における労働環境は日本とはかなり違うようだ。中国メディアの捜狐は11日、「日本の工事現場では事故が圧倒的に少ない」と紹介し、その理由を分析する記事を掲載した。

 記事はまず、日本の建設業は少子高齢化とともに作業員の高齢化が進んでいるものの、中国と比べると労働環境が圧倒的に優れていると指摘している。新入社員を大切にしていて、入社後は会社の準備する訓練プログラムに参加させ、その後も随時教育を施すと伝えている。

 さらに、中国と日本とでは作業員の学歴に大きな違いがあると指摘。日本では98%が高卒以上の学歴だが、中国では「84%が中卒以下」と紹介。中国も中学校までが義務教育だが、中学校を卒業しないで働きに出る人もいまだに少なくなく、こうした工事現場では、学歴のないいわゆる「農民工」と言われる出稼ぎ労働者たちが従事している実態を見ることができる。

 さらに、労働時間にも日本と中国では大きな違いがある。日本では1日平均の労働時間は7時間、年間労働日数は290日のところ、中国では「1日9時間、年間324日」との調査結果を紹介している。しかし実際のところ、労働環境はさらに厳しい可能性もある。突貫工事にもなると、中国では現場で仮眠を取りながら、夜通し働くのも珍しくはないからだ。社会保障も、作業中の事故に対する保障のみで、年金や医療保険、失業保険など幅広い保障のある日本とは大きな違いだと紹介した。

 もちろん、日本では現場の安全管理も万全だ。作業現場、道具置き場や休憩室、ロッカーなど、どこでも整理整頓されていることに感心し、「わずか2メートル」の高さでも命綱を付ける慎重さも高く評価している。中国では今でも命綱が習慣付いていないため、作業員は常に危険にさらされている。

 日本では、建設作業員が大切にされていると言えるだろう。危険と隣り合わせの仕事ではあるものの、日本では事故が少ないというのは偶然ではないようだ。中国は労働者数は多いとはいえ、作業員を大切にする意識が必要ではないだろうか。人の命をどれほど大切なものとして見ているかという問題なのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)