髪型や住む場所、仕事やネットのアカウント、すべてを変えて、一から生まれ変われたら・・・。そんな逃避願望は誰にでもあるものだ。日本のドラマ「凪のお暇」は、中国のドラマ評価サイト「ドウバン」でも9.3という高ポイントを獲得、近年の日本ドラマの中でも異例の人気となっている。

 中国の視聴者がこれほどまでにドラマ「凪のお暇」にはまる理由はどこになるのか。中国メディア商務社圏ではその理由を分析している。

 職場でもネットでもいつも「空気を読む」ことを強要され、「自分らしくいられる場所」はどこにもない。しかも、仕事や学校など、常に激しい競争社会にさらされている若者が、心のどこかで逃げ出したいと感じるのも無理はないだろう。こうした誰しもが感じる閉塞感を打ち破ってくれたのが、「凪のお暇」の主人公“大島凪”というわけだ。仕事をすっぱり辞め、SNSのアカウントを閉鎖する主人公の姿に、多くの視聴者がカタルシスを感じ、結果異例の大ヒットにつながったと分析している。

 この分析記事に対し、「誰しも多かれ少なかれ、凪のように社会から逃げ出したいと思うものだ。しかし、実際にはなかなか難しい。でも、生活や仕事、家族からくるストレスは本当に大変!」と、主人公に感情移入をしているコメントが見られた

 中国では、一人っ子政策のために一人の子供が両親、祖父母の経済的な期待を一人で背負い込んでいるケースも少なくない。逃げ出したくても逃げ出さない、リアル世界の現状に嫌気がさしている若者にとって、大島凪の行動は「そんなふうにしたくても実際にはできない」と羨望の的になっているのだ。中国メディアは、大切なのは現実逃避ではなく、本当の自分をしっかり見つめなおすこと、と結論づけた。(編集担当:時田瑞樹)(イメージ写真提供:123RF)