中国ではアフリカ豚コレラの流行が問題となっているが、昨今の豚肉価格高騰が人々の食習慣に影響を及ぼすほど深刻になってきている。

 中国メディアの新京報によれば、本年前半の豚肉卸売価格は1キロ20元(約300円)前後だったが、ここ3カ月ほどは一貫して上昇傾向にあり、7月29日から8月4日の週は1キロ25元(約380円)を超え、8月19日から8月25日の週には1キロ30元を突破し31.77元(約480円)に達した。そして、8月26日から9月1日の週は1キロ34.59元(約510円)と、1週間で8.9%も上昇した。わずか数カ月のあいだに70%を超える急騰となった計算になる。

 豚肉が食卓の中心である中国の人々にとって豚肉価格の高騰は極めて深刻な問題であり、各地で販売価格統制、生産者への補助金支給、備蓄冷凍豚肉の放出等の各種政策が採られている。例えば広西チワン族自治区南寧市では、特定の農産物市場において直前10日間の平均価格の10%以上の割引価格での販売が義務付けられた。購入は一人当たり1キロまでに制限される。

 豚肉価格の高騰は他の肉類の価格にも波及しつつあり、8月26日から9月1日の週は牛肉と羊肉の価格もそれぞれ1週間で2.4%、1.9%上昇した。

 同記事によれば、消費者は「最近は鶏肉ばかりを食べなくてはならなくなった」と嘆いているという。

 日本ではアフリカ豚コレラとは別のウイルスである豚コレラが発生しているもののアフリカ豚コレラの発生は現在のところ確認されていない。しかし、訪日外国人による持ち込みのリスクは決して低くなく、アフリカ豚コレラにはワクチンが存在せず、感染した豚の致死率はほぼ100%なので、いったん持ち込まれれば養豚業界の受ける損害は甚大となる。決して対岸の火事とはいえない。(編集担当:猶木縁一郎)(イメージ写真提供:123RF)