米中貿易摩擦の原因のひとつは中国において米国企業の知財(知的財産権)保護が十分になされていないことだが、中国に進出する日本企業も知財の問題には苦しめられ続けている。

 中国メディアの中国新聞網によれば、8月28日、西安の女性がコンビニエンス・ストア・チェーンの「唐久便利」で1箱3個入りのオカモト製コンドームを66元(約1,000円)で購入し使用したところ、その夜のうちに身体に不調があり、病院で診察を受けると真菌感染症と診断された。女性はこのコンドームに問題があったと疑い、唐久便利に対し抗議した。

 この問題は多くのメディアに取り上げられ、SNS等でも広く話題となった。

 同記事によると、この女性は唐久便利の職員とのあいだで治療費及び就業不能期間の保障として1万元(約14.8万円)の支払いで和解が成立したと述べた。しかし、現在までのところ女性は保障を受け取っていないという。唐久便利では「我々が販売したものではない」とし、各店で扱われているオカモト製品は全て、オカモトの正規代理店の万生堂から一元的に配送されているものであり、品質に問題はないとしている。

 中国においてオカモトの製品は日本ブランドとして広く認知されており、その品質に対する消費者の信頼は非常に高い。インターネット上の反応などをみると問題が生じたのは販売店等においてであり、メーカー側を疑う声はほとんど見られない。しかし、オカモト製品には偽物が多いというイメージが広まれば、確実に同社製品の販売の足かせとなる。オカモトに対して、中国での模造品対策を聞いた日本メディアの記事も出ているが、雨後のたけのこのように現れる偽物に対して、その取締に実効的な対策は難しいようだ。

 オカモトの中国での販売を担う万生堂は、文書で「オカモトの製品は中国市場に参入してから20年余にわたって億の単位の人々に購入されている。過去においても、現在においても、未来においても偽物を製造したり販売したりすることを断固として許さない」と強い言葉で表明している。また、全ての販売店が合法の業者から仕入れを行い、法を守って経営をし、消費者の信任を得るよう務めて、消費者ひとりひとりに対して責任をもつよう求めた。(編集担当:猶木縁一郎)(イメージ写真提供:123RF)