中国北東部は日中戦争などの戦地となった過去を持つが、中国メディアの快資迅はこのほど、中国にはロシア、日本、中国それぞれの意見が異なる「戦争遺跡」があることを紹介し、日露戦争の激戦地を見下ろす高台に残される「表忠塔」を紹介する記事を掲載した。

 現在の中国で「白玉山塔」と呼ばれる表忠塔は大連の白玉山にあり、東鶏冠山や203高地と並ぶ日露戦争をたどる観光地として残されている。この塔は日露戦争後に乃木希典と東郷平八郎ら日本人によって建てられたものであるゆえに、ロシア、日本、中国の間で「意見の相違がある」存在として認識されてきたという。

 記事は、日本は表忠塔について「戦死した兵士達を慰霊するため、山口県の徳山から運ばれた花崗岩を土台として用いるこだわりを見せると同時に。戦火の被害を被った東北三省の人々の尊厳のために、また世界に日本の国力を誇示するために建造した」と主張した。

 しかし、ロシアは第2次世界大戦で敗戦した日本を見て、「表忠塔が残されることは自国の恥」であると考え、中国に対して撤去を要求したという経緯があると紹介した。

 では、なぜ現在も中国に「白玉山塔」が残されているのだろうか。記事は、この理由について「塔を撤去しないことによってより強く、中国の意思をロシアと日本を含む世界に示すため」という深い意味があるとした。そして、日本が建てた建造物を残すことで、「当時の中国が置かれた四面楚歌の苦境と屈辱を決して忘れないことを示す」ためにロシアの要求を拒否したと主張した。

 「白玉山塔」がある旅順は2009年まで、外国人の立ち入りが原則として禁じられていたが、現在は観光ツアーも組まれるようになっていて日本人にとっても訪れやすくなっている。記事が主張するように「塔をあえて残した中国の強い意志」についても考えつつ、平和に対する思いを強めたいものである。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)