データ通信の高速化や多数同時接続、超低遅延などを実現する次世代移動通信システム「5G」。昨今日本では5Gということばを耳にすることが増えたが、それは中国でも同じで、中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)が5G対応スマートフォンの発売を開始したことなどもあって5Gへの関心が大いに高まっている。

 そんななか、このところひとつの噂がまことしやかに語られている。

 最近中国で4G通信をしていると「今日はなんだか遅いな」と感じることが多いのだが、SNS上などでは、これは通信会社が5Gを速やかに普及させるために密かに4Gの通信速度を遅くしているためだ、と噂されているのだ。

 中国メディアの央視網によれば、この噂を受けて中国工業和信息化部(工信部)は「過去に運営企業に対して4Gの通信速度を遅くしたり制限したりしたことはなく、今後もない」と発表した。

 工信部は、2019年7月時点の4Gダウンロード速度の全国平均は23.78Mbpsで明らかな減速傾向は見られてはいないとしながらも、利用者数の観点からは、4G利用者数は12.4億人に達し、コンサート会場や鉄道駅など利用者が集中する場所では一時的な速度低下が発生していることを認めた。一人当たりのデータ通信量の観点からは、2018年1年間の一人当たり平均データ通信量は4.42GBだったが、本年は7月までに8.33GBと既に2倍に達しているとし、データ通信量の激増が速度低下の背景にあることを示した。

 工信部はさらに、特定ウェブサイトへのアクセスの集中、データ通信容量制限プランの上限に達した場合、特定地域の通信ネットワーク改修工事等により一定時間・一定範囲内で速度低下が生じている、とした。

 各通信企業が4Gの通信速度を意図的に遅くしているということはないにしても、データ通信の利用は今後も急速に伸びていき、一方で、5G移行期間中に4G環境の整備が十分になされるとは考えにくいので、データ通信遅延の問題が改善されることは当面ないと予想される。(編集担当:猶木縁一郎)(イメージ写真提供:123RF)