中国メディア・東方網は4日、中国サッカー・スーパーリーグの広州恒大―山東魯能戦で日本人審判が主審を務め、試合の流れを第一に考えた見事なレフェリングを見せたと報じた。

 記事は、3日に行われた広州―山東の強豪どうしの対戦で、試合自体は広州が3-0で快勝したものの、両クラブとも勝利を目指して高いレベルのプレーを見せ、スムーズな試合の流れにサポーターも大いに満足したと紹介。このスムーズな試合の流れには、主審を務めた日本人審判・荒木友輔氏のレフェリングが光ったシーンを3つ挙げている。

 1つめは、試合開始間もない前半9分だ。山東陣内に攻め込んだ広州の選手がファウルを取られた。素早くリスタートしようとしたところ、本来ボールから離れなければならない広州の選手が一瞬ボールを奪った。しかし、審判はここで安易にプレーを切らず、ボールが再び山東の選手のもとに転がったのを確認してプレーを続行。記事は、この審判の判断に現地の解説者が「素晴らしい。これが中国の審判だったらすぐに笛を吹いてやり直しさせただろう。確かにその方がより公平かもしれないが、試合の流れがいったん切れてしまう。サポーターにとっては、ブチブチとプレーが切れてしまう試合は不満が多く残るのだ」と賞賛したことを伝えた。

 2つめは同25分に広州のDFが相手選手に厳しいチェックをしてファウルを取られたシーンを挙げた。本来ならイエローカードが妥当なプレーだったが、主審はカードを出さずに警告するにとどめたとし、「公平性という点では些か不十分かもしれないが、激しく競り合う試合の流れを変えないようにし、選手たちをより試合に集中させるための判断として大いに評価できる」と評している。

 一方、29分に山東の選手に突破された広州のDFがスライディングで相手を倒すと、審判はすぐさまファウルを与え、山東にベストポジションからのフリーキックのチャンスを与えるという毅然とした姿勢も見せたことを3つめとして紹介。この判定は果断かつ正確なもので、双方の選手に何の文句も言わせなかったと伝えた。

 記事はそのうえで、この試合で主審が画面の中で目立ったのは取り上げた3つの場面だけだったと紹介。ハイレベルな戦いの中で審判はまるで身を隠しているかのような感覚で、「これこそ、高いレベルを持つ審判の、まさにハイレベルと言われる所以なのである」とした。

 また、荒木氏が日本の新世代の審判を代表する人物で、まだ33歳であることを併せて伝えた。「試合を通じて、両クラブの対抗を盛り上げるという一貫した姿勢を保ち続けた。そして、ファウルの判定も速やか、かつ、的確で、双方の選手を納得させ、エキサイトするシーンを起こさなかった」と評し、この試合で荒木氏が見せたジャッジングは中国のサッカー界に「ハイレベルとはこういうことだ」と認識させるものであり、中国の審判に新たな手本が示されたと伝えている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)