日本語にとって必要不可欠な文字である「漢字」は中国から入ってきたものだが、現代の中国で使われている単語のなかには日本から逆輸入されたものが少なくない。日本からの「外来語」を使用しないと、まともに会話ができなくなると言って良いほどだ。中国メディアの今日頭条は21日、「日本からの外来語を使わなければ中国人は思考停止に陥ってしまう」とする記事を掲載した。

 記事はまず、現代中国語では「日本由来の外来語」が多く使用されていると紹介。古代中国が日本に漢字を伝えたにもかかわらず、今では中国の方が日本から新たな言葉を学んでいる、と立場が逆転したことを指摘している。それにしても、なぜ多くの単語が日本から中国に入り、定着したのだろうか。記事は、西洋文化に触れた時期は日本も中国も大差ないと指摘。西洋文化の概念や単語を漢字で表す機会は同様にあったが、日本の翻訳があまりに適切でうまく意味を伝えていたため、中国が翻訳した単語は「生存競争」で敗れたと分析した。

 例えば、英語の「telephone」を当時の日本人は「電話」と表現し、中国では当初「徳律風」と訳していたことを紹介。中国ではしばらくこの2つが同時に使われていたが、結局は「徳律風が電話に淘汰された」のだという。記事の筆者の持論によると、良い訳には「音、形、意味」の3つが必要だが、日本人の訳の多くは「中国の文字、日本の音、西洋の意味」がバランスよく揃っていたと分析している。

 記事はさらに、中国語の母音が訳すのに制約となったことや、中国では音の美しさにこだわり過ぎたことが、中国で日本の訳が受け入れられた理由でもあると分析。中国はこの100年間ほど日本由来の言葉に頼ってきたため、日本由来の単語がなければ中国の歴史も違っていただろうと指摘した。政治、経済、文化、革命、階級、社会主義、資本主義といった言葉は日本由来で、日本が翻訳していなければ中国が別の単語を当てていたはずだが、単語が違えば概念もそれに基づく考え方、歴史も変わっていたはずだとしている。

 日本から「輸入」された大量の単語は、中国人の生活にかなりの影響を与えてきたといえるだろう。そして、現在でも少なからぬ日本の単語が中国語に浸透している。例えば、「中二病」、「超」、「達人」などの単語は中国の若者によく使用されており、意味も日本語と同じだ。これからも日本発祥の新しい単語が中国に影響を与えていくのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)