アリババグループは7月4日、日本ブランド向けに、ニューリテール戦略に関するカンファレンス「日本ブランドのための“New Retail” ―アリババグループが推進する中国小売業のパラダイムシフトー」を東京・丸の内で開催した。アリババグループCEOのダニエル・チャン(張勇)氏(写真)が来日し、「アリババエコシステム」の最新動向を紹介し、2018年度(18年4月1日~19年3月31日)のニューリテール事業のGMV(流通総額)は前年比19%増、約97兆円に増加し、年間アクティブ・コンシューマー数は中国市場が6.5億人、中国国外の市場が1.2億人であると発表した。

 ダニエル・チャン氏は、「近年、地方都市や農村部の消費者ニーズ開拓や、ローカルサービスへの浸透によって、アリババエコシステムはますます成長し、市場シェアを拡大してきました。アリババは創業以来20年間、Eコマース、エンターテインメント、ローカルサービス、フィナンシャルなどを含む様々なサービスを展開してきました。

 さらに、クラウドコンピューティングとの融合により、アリババ独自のワンストップソリューションと包括的なエコシステムを創り上げることができました。企業のデジタル化と事業成長を全面的にサポートし、共にニューリテール戦略を推進しながら、素敵な未来を築けることを嬉しく思っています」とあいさつした。

 アリババは、6.5億人規模の東南アジア地域への進出を加速している。東南アジアでEC事業を運営しているアリババグループ傘下のLAZADA(ラザダ)は、今年3月に越境EC事業の戦略を発表し、日本ブランドをはじめ、世界中の企業の東南アジア地域への進出やより多くの消費者への商品提供を支援している。

 また、日本のUHA味覚糖やライオンはLST(零售通/「統合された小売」)を活用して中国の地方都市にアプローチした。LSTを使うことによって、中国地方都市の家族経営の小規模店舗(パパママショップ・130万店以上)に配荷が可能になる。

 UHA味覚糖の代表取締役社長の山田泰正氏は、「LSTに登録している130万店以上の小規模小売店の店主も直接オンライン受注会に参加できるため、地方都市・農村部のマーケットにも、アリババを通して直接アプローチすることができます」と、LSTの効果を語った。

 また、ライオンの代表取締役社長執行役員の掬川正純氏は、「2019年6月の618商戦中にLSTプラットフォーム上でオーラルケア商品の販売を開始しました。今後、オーラルケア分野を中心に、他の商品群でも順次LSTでの販売を拡大していく予定です」と中国市場での手応えを語っていた。

 一方、アパレル企業のストライプインターナショナルは、2018年にアリババと戦略的提携を結び、現在、中国で11の実店舗と、天猫で4つのEC店舗を展開している。天猫のEC旗艦店で、AI(人工知能)を活用したチャットボットを導入し、オンライン上で消費者とコミュニケーションが密に取れるサービスを展開している。消費者にいち早く実店舗のイベントや割引情報を届けて実店舗への消費者の誘導を促したことで、ストライプチャイナの2019年の売上額は、天猫のEC旗艦店が昨年比200%増、11の実店舗が昨年比150%増となっている。

 そして、資生堂やコーセーといった化粧品ブランドも、アリババグループとの協業によって、中国市場で効果的なマーケティングが展開できている事例を紹介した。(写真は、「日本ブランドのための“New Retail”」であいさつするアリババグループCEOのダニエル・チャン氏。提供:アリババグループ)