中国ではeスポーツの参加者が既に3.5億人(前年比10.6%増)に達し、急速に市場規模を拡大しているという。先週20日には、中国ネットサービス最大手のテンセント(騰訊)がeスポーツ産業の発展をめざす企業アライアンス「騰訊電競技術連盟(TGA-Tech Alliance)」の設立を宣言。ここには、インテル、クアルコム、エヌビディアなど米国の大手IT企業も参加し、中国でのeスポーツの振興に共同で取り組んでいく。

 中国ではeスポーツの育成が、重要な内需拡大策の一つに位置づけられ、国家的な育成サポートが行われている。今回のテンセントの企業アライアンスにも、工業情報化部・科技司の支援があり、米大手企業の参加に加え、中国国内からは通信キャリア大手の中国聯通(チャイナ・ユニコム)やゲーム周辺機器開発のレイザー(雷蛇)、燁侃科技(YESEE TECH)どが参加し、1企業の取組みを超えた大きな集団になっている。

 テンセント傘下の調査機関「企鵝智酷」が発表した「2019年中国eスポーツ業界発展報告」によると、現在の参加者3.5億人の内訳は、男性70%、女性30%と男性優位であるものの、年齢層は24歳以下が26.4%、25~30歳が34.5%、31~35歳が17.7%、36~40歳が10.5%、40歳以上が10.8%と大人のスポーツとして幅広い層に普及していることが分かっている。

 テンセントは、TGAテック・アライアンスの発表において、5月に配信を開始した新モバイルゲーム「和平精英(ゲーム・フォー・ピース)」について、1日当りアクティブユーザー数(DAU)がすでに5000万人を突破したことを明らかにした。その上で、同ゲームをeスポーツのタイトルに加える計画を表明。近く公式大会を開催する考えを示している。「和平精英」は、バトルロイヤル(生き残り)系ゲームだが、ゲームで使用するアイテムには課金がある。

 TGAテック・アライアンスは、中国国内におけるeスポーツの技術標準化や業界ルールの策定をめざしており、ここをプラットフォームとして中国国内の関連産業の一層のレベルアップを目指していくとしている。

 中国では、青少年の視力低下など「ゲームのやりすぎで人生を壊す」ことを問題視してゲームの新作のリリースを認めない措置を取っていたが、eスポーツについては、非常にポジティブに評価している。この業界からの新たな成長企業の誕生・育成も期待しているようだ。ただ、eスポーツの2大市場も、やはり、米国と中国。米中貿易戦争の火の粉が降りかからないかどうかも、当面の注目点だ。(イメージ写真提供:123RF)