人々が毎日使うツールは紙媒体である書籍や新聞よりも、スマホやインターネットが主流となっている。スマホ決済の爆発的な普及によって、ますますスマホ依存を強めている中国では、子供向けのオーディーオブックが急成長している。中国メディアの人民網は6月14日、デジタル化が進む子供の読書についての記事を掲載し、「絵本を読み聞かせる親子のコミュニケーションを忘れないで」と伝えた。

 記事では、中国新聞出版研究院が発表した第16回全国国民閲読調査報告の内容として、本を耳で楽しむ「オーディオブックが中国の読書の分野における新たな成長ポイントになっており、特に未成年の利用率が26.2%と、成人のそれよりも高い割合を占め、目覚ましく成長している」と紹介した。

 中国においてオーディオブックを聴くための主なツールは、モバイルオーディオブックアプリだ。業界最大手の音声プラットフォームである「喜馬拉雅(Ximalaya)」は昨年10月、読み聞かせアプリ「喜猫儿故事」をリリース。総ユーザー数が4億5000万人に達するオーディオソフトメーカーの、蜻〓FMは、2019年に1.5億元を投じてハイクオリティな児童向けオーディオブックを開拓する予定で、さらに、この2、3年のうちに、100を超えるハイクオリティな独自のオーディオブックコンテンツを制作する計画が挙がっていることから、モバイル業界が力を入れている分野であると言える。(〓は、虫へんに廷)

 こうした子供向けの読み聞かせアプリが家庭に広く普及し、親子を取り巻く読書スタイルが多種多様となっている。この変化を専門家は肯定しつつも、「従来の読書スタイルには深い思考力を向上し、読書を味わうことを養うなど、取って代わることのできない作用があり、軽んじてはならない」とする。そして、「どのようなツールであっても、親が子供と一緒に読んで、一緒に聴くことが重要だ」と記事は強調している。

 日本においても、読み聞かせには親子のコミュニケーションを円滑にするほかに、親のストレス軽減や、子どもの言葉の力の伸び、問題行動の減少といった研究結果が東北大学から出ている。どれほど素晴らしいデジタル製品ができようとも、人と人のコミュニケーションに勝るものはないのだろう。

 「紙媒体とデジタルどちらが良いのか」ではなく、読書を通して何を得たいのか、それぞれの特性を活かして、目的によって使い分けることが必要だと考える。紙媒体であれ、デジタルであれ親と子のコミュニケーションが大前提であり、より良い読書スタイルに不可欠な要因だといえるだろう。(イメージ写真提供:123RF)