製造大国から製造強国を目標にしている中国だが、目標の実現には最も重要なものが欠けているという。中国メディアの今日頭条はこのほど、「日本は製造大国から製造強国になれたのに、なぜ我々にはできないのか」と題する記事を掲載した。

 記事はまず、製造業が発展するには「優秀な技術者」が必要だと指摘。必要なのは、優秀な大学を卒業した多才な人ではなく、その道の「スペシャリスト」で、こうした人材が中国では「1000万人不足している」と分析、中国製造業の深刻な悩みになっていると伝えた。

 この点、日本はレベルの高い技術者が多いようだ。ある統計によると、日本の工業労働力全体のうち、優秀な技術者が40%を占め、ドイツでは50%を占めるが、中国にはわずか5%しかいないという結果になったという。さらに驚くのが、この数字は「30年前と変わっていない」ことだ。

 また、製造業ではロボットが導入されるようになって単調な作業はロボットが行うようになっていると記事は指摘。そのため、「優秀な技術者の重要性がますます際立つようになった」としている。

 では、なぜ日本のように優秀な技術者を育成できないのだろうか。これは、中国の学歴社会の弊害だと記事は分析。中国では製造業や技術者に対する偏見があるため、優秀な学生を技術分野に取り込むのが難しいという。それで記事は、「制度文化ゆえに中国の技術者は存在感に欠け、社会も相応の尊厳と地位を与えていない」と指摘。企業内でも技術屋は評価されず、待遇も良くないため、技術者がますます減っていくのだと論じた。

 中国は「中国製造2025」を掲げているが、このままでは、中国が製造大国から製造強国になれるのか、なれるとしてもどれだけの時間がかかるか大いに疑問が残るところだ。技術者の割合が「30年も変わっていない」というのはそれだけ人材の育成をおざなりにしてきた表れだ。日本のような「製造強国」を目指すなら、目先の利益にとらわれず、長い目で人材を育成する努力が必要だろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)